2005.09.20

【日本心臓病学会速報】 急性心不全の初期対応、「循環器治療の成果を存分に発揮できる時だ」

 急性心不全の戦いに勝つために必要なのは、的確な情報収集、正しい情報の解釈、そしていくつかの予測を立てることだ−−。9月19日に行われた教育講演エキスパートに聞く「心不全」で、トップバッターとして登壇した聖路加国際病院の西裕太郎氏(写真)は、急性心不全の初期対応に挑む際の心構えを語った。

 「急性心不全は遭遇する機会の多い疾患であるにもかかわらず、最初に患者と接する医師にとって、そのマネジメントは必ずしも容易なものではない」。こう切り出した西氏は、「利尿薬とカテコラミンでだれが治療しても改善できる場合は問題がない。しかし、重症例や病態の把握が困難な症例も少なくなく、まさに医師の技量が問われることになる」と続けた。

 「難しいからこそ楽しい」とも指摘。急性心不全の初期対応は、「循環器治療の成果を存分に発揮できる時だ」と強調した。  

 その上で冒頭で紹介した「急性心不全の戦いに勝つために必要なこと」に言及。的確な情報収集では、「情報はベッドサイドにある」との持論を披露。患者のそばに足を運ぶことで的確な情報を把握できるだけでなく、「次の情報収集のタイミングを間違わない」とベッドサイドでの情報収集の効用を語った。

 また、正しい情報の解釈では、「いくつかの情報を組み合わせて判断することが大切」とし、その際、「不足している情報を必ず手に入れるようにすることが大事」と強調した。

 3つ目のいくつかの予測を立てることについては、「予想通りならば自らが立てた方針が正しかったことになる。ただ常に正しいことはありえない。そのため予想通りではなかった場合のシナリオも考えておくことが重要だ」と説いた。それが「後手に回らない」方策だとも。

 「急性心不全の初期対応は、日々自らを鍛えてくれる格好の教師である」。これが西氏の結論だった。(三和護、医療局編集委員)

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