2005.09.15

【日本癌学会速報】 血小板増殖作用持つ低分子化合物の創製、日産化工がin vivoで成功

 日産化学工業は、ヒトトロンボポエチン(TPO)アゴニスト作用を持ち、実際にin vivoでヒト血小板を増加させることができる合成低分子化合物NIP-004の創製に成功した。同社の生物科学研究所医薬研究部薬理グループ副主任研究員の中村隆典氏らが、9月14日から16日に札幌市で開催された日本癌学会で発表した。

 NIP-004は、比較的安価に生産できる低分子化合物であるため、有力な血小板増殖剤候補といえる。海外では、英GlaxoSmithKline社が開発中の低分子TPO受容体アゴニストがあるが、国内からも候補化合物が登場したことになる。

 研究グループはまず、in vitroの実験で、NIP-004がヒトTPO受容体に特異的にアゴニストとして作用することを見出した。NIP-004はTPO依存性細胞株であるUT7-TPO細胞とUT7-EPO/hTPOR細胞の増殖を濃度依存的に刺激した。NIP-004はヒトTPO受容体を介して細胞内のSTAT5を活性化したが、マウスのTPO受容体には作用しなかった。さらにNIP-004は、ヒト骨髄由来のCD34陽性造血幹細胞を巨核球に分化誘導できた。

 次に研究グループは、in vivoの実験でNIP-004に実際に血小板増殖作用があることを確認した。2.4GyのX線を照射した免疫不全マウスに臍帯血由来CD34陽性細胞を1×10の5乗個移植したマウスに体重1kgあたり1日30mgのNIP-004を皮下に投与した。その結果、2週間から5週間でヒト血小板数が投与前の値の4〜6倍になることを確認した。血小板増殖作用はマウスの血小板では起きなかった。(横山勇生)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 疼痛治療薬が効果なし…メンタルと思いきや 「こじらせ疼痛」にどう向き合う FBシェア数:0
  2. 研修医が意識しておくべき最低限の心構えとは イケてる指導医が研修医に伝えたいこと FBシェア数:240
  3. 45歳男性。自力で動けない。 日経メディクイズ●救急 FBシェア数:0
  4. かかりつけ医の普及に本腰、でも1人開業医は… 特集◎2018年度診療・介護報酬改定のインパクト《5》 FBシェア数:53
  5. 腎機能を確認せずに造影CTを行うのは罪? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:164
  6. 見えにくい静脈への穿刺を助ける新兵器 リポート【動画付き】◎血管可視化装置の使い勝手は? FBシェア数:102
  7. 私、モンスターペイシェント? 中山祐次郎の「切って縫うニュース」 FBシェア数:172
  8. 肺癌見落としで40代女性死亡、河北健診クリニック 河北医療財団「係争化はしていない。遺族と協議中」 FBシェア数:75
  9. メジャー疾患のガイドライン改訂が目白押し 総合内科専門医試験 「一発合格」への道 FBシェア数:0
  10. N95マスクは何度まで使えるのか? 倉原優の「こちら呼吸器病棟」 FBシェア数:0
医師と医学研究者におすすめの英文校正