2005.09.09

ロート製薬、医師向けにハイドロキノン化粧品を発売 浸透性高く、副作用少ない――日本美容皮膚科学会で発表

 ロート製薬は、医師向け専用の美白化粧品「ディーアールエックス(DRX) HQブライトニング」を開発、9月3日から医療機関に本格販売を開始した。

 強力な美白剤として知られるハイドロキノンだが、肌に炎症が起きたり、保存性が良くないなどの弱点があった。

 同社は、プロピレングリコール(PG)とジプロピレングリコール(DPG)を特別な比率で配合して基材に使うことで安定化を実現。副作用が少なく、常温で3年間の保存が可能になった。また、肌への浸透性も高まったという。

 高純度のハイドロキノンを原料に採用し、その酸化物であるベンゾキノン含量は検出限界以下で、室温3年相当の試験実施後でもベンゾキノン含量は0.02%と少ないという。また、ウサギによる皮膚刺激性試験で、低刺激性を確認している。

 ハイドロキノン含量は4%で、アスコルビン酸1%を含む。防腐剤やステロイドは配合していない。12mL入り(約80日分)は9000円、3mL入り(約20日分)は2500円。

 同社は医療機関への本格販売に先立ち、東京女子医大、東邦大、神戸大、日本医大、近畿大、福岡大やクリニックなど計9施設で有効性と安全性の臨床試験を2004年12月〜2005年6月に実施。その結果を、第23回日本美容皮膚科学会(9月3、4日に京都で開催)で発表した。

 肝斑(かんぱん)に対する二重盲検比較の臨床試験は、30〜50代中心の女性50人(最終は44人)を対象に実施。ハイドロキノン4%+アスコルビン酸1%群と、ハイドロキノンなし+アスコルビン酸1%の対象群と比較した。朝晩2回塗布し、朝は塗布後、サンスクリーンを塗った。

 塗布12週後、肝斑の色素沈着の改善を見たところ、ハイドロキノン群では著明改善(スキントーンカラースケールで1.0以上改善)が34%だった。

 一方、日光黒子(老人性色素斑:丸いシミ)、雀卵斑(じゃくらんはん:ソバカス)、炎症後色素沈着の計66人(最終は61人)を対象に実施した臨床試験では、塗布12週後の色素沈着の著明改善は54%と高かった。

 2つの臨床試験で、炎症などが起きて使用を中止したのは3.5%(4例)で、処置しないで経過観察にとどめたのは5.2%(6例)だったという。

 また、レーザー治療やピーリング治療などと組み合わせてハイドロキノンを使用した場合の有効性と安全性試験の結果も発表された。

 座長を務めた東京女子医大の川島眞教授は、「ハイドロキノンを自家製剤などで使っている例もあるが、エビデンス(科学的根拠)がなかったり、安全性が100%担保されていなかった。今回の製品は、データをしっかりとって世に出してきた。今後、安全性のフォローアップ試験も予定されている」と語った。

 なお、医師による使用の注意点として川島教授は、「1日1回塗る場合は、(日光に当たらない)夜がいい。ハイドロキノンを塗ってから日光に当たるときは、UVケアをしっかり行うよう患者に指導を。特に、海水浴のように1日中日光に当たる日は、使用しない方がよい」とした。

 東京女子医大ではこのハイドロキノンをすでに導入しており、患者は医師の紹介状をもらい、院内売店で購入する仕組みになっているという。(日経ヘルス

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