2005.09.07

米Amgen社、エリスロポエチンの心不全への効果を調べるフェーズ3試験を開始へ

 米Amgen社は9月2日、赤血球を増殖させる作用を持つエリスロポエチン(EPO)の第2世代製剤「darbepoetin」について、心不全患者の死亡率、罹病率への貧血治療効果の影響を調べる、多国間ニ重盲検フェーズ3臨床試験を開始すると発表した。
 
 実施される試験の上級委員会で共同議長を務める米Cleveland Clinic財団のJames Young氏は、「多くの疫学的な研究から、ヘモグロビンの低値が入院期間や死亡率の増加と関連していることが示されている」と、darbepoetin の投与でヘモグロビン値の向上を目指す試験の実施理由を説明した。

 試験が成功すれば、全く新しい心不全の治療方法となる。Amgen社は疫学的な調査結果に加え、心不全患者の貧血治療を対象にした予備的な臨床試験で、有望な結果が得られているとしている。

 なお、darbepoetinのわが国における権利はキリンビールが保有しているが、心不全を対象にした開発の計画は、今のところないという。

 darbepoetin は、165個のアミノ酸で構成されるEPO誘導体で、作用機構はEPOと同じく、EPO受容体に結合し赤血球の増殖と分化を誘導する。天然型EPOに比べ、N結合糖鎖を2本余分に結合させ、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)を宿主に製造している。糖鎖が増えた結果、体内で代謝される速度が低下、静脈注射もしくは皮下注射した場合の血中半減期が、EPOよりも3倍延長、EPOに比べて投与頻度を少なくできる。(横山勇生)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 検査キットに振り回されるインフルエンザ診断 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:362
  2. DNAR指示は「治療不要」という意味ではない 日本集中治療医学会倫理委員会委員長の丸藤哲氏に聞く FBシェア数:1049
  3. 「名門」を出てもその先は自分次第 木川英の「救急クリニック24時」 FBシェア数:176
  4. 認知症ではないと診断した患者が事故を起こしたら医… プライマリケア医のための認知症診療講座 FBシェア数:202
  5. 人をイライラさせる学会ホームページを撲滅せよ 裴 英洙の「今のままでいいんですか?」 FBシェア数:111
  6. 卒後10年、初の転勤で病院院長に着任しました 中山祐次郎の「切って縫うニュース」 FBシェア数:427
  7. インフルエンザ脳症が58例に、6人死亡 インフルエンザ診療Next:トピックス FBシェア数:363
  8. 致死的な重症呼吸不全を救う人工肺「ECMO」 トレンド◎インフルエンザによる肺炎の救命率向上も FBシェア数:486
  9. 降圧治療で本当に120mmHgを目指しますか? 医師1000人に聞きました FBシェア数:6
  10. 死ぬレベルの疑義照会 vs 帰りたい患者 原崎大作の「今日の薬局業務日誌」 FBシェア数:256