2005.09.06

作物研と大和紡績、花粉やハウスダストなどを吸着する線維を開発 

 農業・生物系特定産業技術研究機構(NARO、本部:茨城県つくば市)の作物研究所と大和紡績(本社:大阪市中央区)は9月5日、アレルゲンの新規簡易分析法を開発したと発表した。併せて、この分析法を用いてフタロシアニンという色素で染色した繊維が、花粉やハウスダスト、食物アレルゲンなど、多種のアレルゲンを吸着可能であることを確認した。

 吸着されるアレルゲンの量は繊維100g当たり2g。吸着後、界面活性剤で容易にはずせるので、洗濯すれば除去できる。フタロシアニンは、たんぱく質の構造(大きさ、ジスルフィド結合)には影響を与えないことから、フタロシアニンで染色した繊維は、人体への安全性も高いという。今後はアレルゲンに対する作用を詳細に解析し、アレルゲン低減化製品としての応用範囲を広げていく予定だ。

 NARO作物研究所は、作物アレルゲンの検出や低減化のための技術開発を行っており、最近では、花粉症などの作物以外のアレルゲンに起因するアレルギー関連疾患に関しても研究を行っている。今回開発したアレルゲンの簡易分析手法は、繊維からアレルゲン(たんぱく質)を抽出し、電気泳動で分離・染色後、比色定量するというもの。

 一方、大和紡績はフタロシアニンの消臭効果を発見し、消臭繊維としての製品開発を行っている。今回、NARO作物研究所と大和紡績は共同で、フタロシアニン染色繊維のアレルゲンに対する作用に関して研究を行った。大和紡績では既に、同社の製品にフタロシアニンを含む繊維を使用している。

 フタロシアニンは青色の色素で、ヘモグロビンやクロロフィルの骨格を成すポルフィリンに似た構造を持つ。塗料として用いられるほか、光ディスク用記録媒体、ディスプレイ用カラーフィルター、複写機の有機半導体などに幅広く応用されている。(星野康)

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