2005.09.05

米Amgen社、エリスロポエチンの心不全への効果を調べるフェーズ3試験を開始へ 

 米Amgen社は9月2日、赤血球を増殖させる作用を持つエリスロポエチン(EPO)の第2世代製剤「darbepoetin」について、心不全患者の死亡率、罹病率への貧血治療効果の影響を調べる、多国間ニ重盲検フェーズ3臨床試験を開始すると発表した。
 
 実施される試験の上級委員会で共同議長を務める米Cleveland Clinic財団のJames Young氏は、「多くの疫学的な研究から、ヘモグロビンの低値が入院期間や死亡率の増加と関連していることが示されている」と、darbepoetinの投与でヘモグロビン値の向上を目指す試験の実施理由を説明した。

 試験が成功すれば、全く新しい心不全の治療方法となる。Amgen社は疫学的な調査結果に加え、心不全患者の貧血治療を対象にした予備的な臨床試験で、有望な結果が得られているとしている。

 なお、darbepoetinのわが国における権利はキリンビールが保有しているが、心不全を対象にした開発の計画は、今のところないという。

 darbepoetinは、165個のアミノ酸で構成されるEPO誘導体で、作用機構はEPOと同じく、EPO受容体に結合し赤血球の増殖と分化を誘導する。天然型EPOに比べ、N結合糖鎖を2本余分に結合させ、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)を宿主に製造している。糖鎖が増えた結果、体内で代謝される速度が低下、静脈注射もしくは皮下注射した場合の血中半減期が、EPOよりも3倍延長、EPOに比べて投与頻度を少なくできる。(横山勇生)

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