2005.09.02

血管の老化度や心臓への負担がわかる「脈波装置」 高血圧薬の選択投与に可能性も

 オムロン ヘルスケアは、手首のとう骨動脈で脈派を検出するオムロン血圧脈波検査装置AI「HEM−9000AI」を、医療機関向けに9月7日から発売する。

 この装置は、患者が椅子に座ったまま手首にセンサーを装着して、約1分で脈波を検出するもの。
 脈波は血圧の変化を示す波形。脈波を計測することで、血管の老化状態や心臓への負担の大きさがわかるという。装置は小型テレビのような本体と脈波検出ユニットなどで構成、コンパクトになっている。

 1台157万5000円で、初年度150台、2008年度には1000台、売上で6億円を目標にする。

 脈波は、心臓が血液を送り出す「駆出(くしゅつ)波」と、送り出された血液が血管から反射して発生する「反射波」が重なった波形になる。

 心臓は、血液を送り出すときに収縮した後、逆流しないように大動脈弁を閉じる。心臓の弁が閉じる前に、血管から振幅が大きく、早い反射波が戻ってくると、心臓に大きな負担がかかる。

 駆出波に対する反射波の大きさの割合をAI(Augmentation Index)と呼び、反射波が大きいほど、早く戻ってくるほど、AI値は高くなる。AI値が高いと、心臓への負担が大きいことを示す。

 血管が厚かったり、硬かったり、狭かったりと血管の老化が進むと、反射波は大きく、早くなるため、AI値が高くなる。逆に、血管が若い人は反射波が小さく、心臓への負担が少なく、AI値が低い。

 東京医科大学助教授の高沢謙二氏は、「収縮期血圧(上の血圧)は、駆出波と反射波の2つがある。駆出波はいわば善玉血圧で、反射波はいわば悪玉血圧。高血圧では、悪玉の反射波を下げることが重要」と話す。

 高血圧の治療に使われる薬のうち、カルシウム拮抗薬、ACE阻害薬、ARBは反射波も抑えるとされ、血圧が高くAI値も高い人に有効とみられている。一方、利尿薬やβ遮断薬は反射波を抑える力が少ないとみられ、血圧は高いがAI値は低い人に向くのではないかと推測されている。

 AI値の測定が普及すれば、高血圧薬の処方にも影響があるかもしれない。(日経ヘルス


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