2005.08.07

【日本遺伝子診療学会速報】 TRC法によるがん胎児性抗原遺伝子の検出キット、臨床検体で有効性を実証

 東ソー科学計測事業部TRCプロジェクトチーム開発・製造グループ・リーダーの林俊典氏らのグループは、自社の遺伝子増幅法であるTRC法で がん胎児性抗原(CEA)のmRNAを検出するキットが、実際の臨床検体でmRNAを検出できることを確認した。術中診断の補助手段などとして利用できることが示されたことになる。成果は8月5日から6日に長野県松本市で開催された日本遺伝子診療学会で発表された。また、検出キットはこの7月から発売されている。

 TRC法はRNAの形で遺伝子を増幅する方法で、一定温度で迅速に反応が行われ、しかもリアルタイムに増幅産物の検出ができる。CEA検出キットはCEAのエクソン6−7領域の180merを増幅、検出する。

 林氏らは胃がん開腹手術の際の腹腔洗浄液をTRC法キットでCEAのmRNAの有無を調べた。しょう膜下層以深の胃がん患者60症例に対して調べたところ、14例が陽性となり、腹膜転移があった症例、細胞診が陽性であった症例ではすべて陽性となった。

 また、細胞診では陰性だった検体でTRC法キットで陽性になったものもあったが、その検体の患者の予後は有意に悪く、細胞診で見逃されていたものを検出できている可能性があるという。

 さらに、胃がん患者のリンパ節を材料に調べたところ、67例中8例が陽性となり、そのうち4例は病理検査でも陽性であった。残りの4例のうちmRNAのコピー数が極めて小さい1例を除き、病理検査で見つけられなかったものを見出せたとしている。(横山勇生)

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