2005.08.07

【日本遺伝子診療学会速報】 計算・計量化と啓発・教育化が遺伝子診療の今後の新たな課題と指摘

 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授の新川詔夫氏は遺伝子診療の今後の新たな課題として、計算・計量化と啓発・教育化の2つを挙げた。8月5日に長野県松本市で開催された日本遺伝子診療学会の特別講演「わが国の遺伝医学の現状と課題」の中で、指摘したものだ。

 新川氏は計算・計量化については、ゲノムインフォマティクス、インターネットでの情報共有化、遺伝性疾患データベースの構築、多因子性疾患解明で重要になる量的形質への積極的アプローチが必要になるとした。一方、啓発・教育化については、小学校、中学校を含めた学校における遺伝子学教育、医科大学における遺伝医学・遺伝子学教育の充実と国家試験出題が必要になるとした。

 遺伝子医療が着実に市民権を得つつあり、医療に関わる医師が増えている一方で、国民の知識が増えておらず、自己決定できない場合があり、今後、問題になると指摘したものだ。また大学教育の場で、遺伝病患者に対する差別意識払拭のためにヒト遺伝子の多様性を教えることや遺伝情報が持つ、従来の医療情報と異なる特殊性を教えることなどが必要とした。

 新川氏は日本の遺伝子診療について、医療化、分子化、国際化、社会化、ビジネス化の5つの側面から現状を解説した。院内措置による遺伝子診療部設置が一般化していることや、試料を提供する協力者と研究者をつなぐゲノム・メディカルリサーチコーディネーター認定制度の動きが始まっていることなどを説明した。(横山勇生)

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