2005.08.02

【欧州高血圧学会速報】高血圧のある狭心症患者でCa拮抗薬が心血管イベント予防に有効 ACTIONスタディのサブ解析結果が発表

 高血圧のある狭心症患者では、循環器イベントの合併を予防するのに長時間作用型のカルシウム拮抗薬が有効のようだ。心不全の新規発症が38%減少、後遺症を伴う脳卒中は33%減少、一過性脳虚血発作(TIA)が28%減少、などのデータが得られた。これは、狭心症患者を対象とした大規模無作為比較試験であるACTIONの層別解析の結果に基づくもので、欧州高血圧学会(ESH)のサテライトシンポジウムで発表された。

 ACTIONはA Coronary disease Trial Investigating Outcome with Nifedipine GITSの頭文字をとったもの。すでに治療を受けている安定狭心症患者に、長時間作用型のニフェジピンを追加することによって予後を改善できるかどうか、プラセボを対象に比較した。7665例をニフェジピン群3825例、プラセボ群3840例に割り付け、平均4.9年追跡している。

 試験の開始時点で、患者の99%は抗狭心症薬による治療を受けており、そのほか、アスピリン86%、β遮断薬80%、脂質低下薬68%、ACE阻害薬20%を服用していた、多くの患者が複数の薬による治療を受けていたことになる。併用する薬の種類を増やすことには、新たな治療効果を期待できる反面、予期せぬ副作用や相互作用の可能性も増える。そのため有効性と安全性の両面から評価された。

 プラセボ群と比較して、全死亡や脳血管・心血管イベントの発生に関するハザード比は1.01(95%信頼区間0.90-1.14)で、ニフェジピン群で死亡や副作用は増えていないという結論だった。有効性に関しては、心不全で有意差が見られ(ハザード比0.71、95%信頼区間0.54-0.94)、新規発症を29%抑制したというデータが得られている。ここまでは既にミュンヘンで開催された昨年のESHで報告されている。

 今年の発表は高血圧を合併している群に注目したものだ。7665例のうち登録時に高血圧(140/90mmHg以上、糖尿病合併患者では130/80mmHg以上)だったのは3977例。この中で1975例のニフェジピン群と2002例のプラセボ群を比較し、層別のデータを解析した。

 その結果が冒頭に示した数字である。残念ながら心血管イベントに関連しない死亡例が、ニフェジピン群にわずかに多く、総死亡率を減らすには至らなかったが、心不全や脳卒中に関してはいずれも95%信頼区間が1.0を下回っており、統計的に有意なデータであった。発表者の1人で英国インペリアル大学教授のフィリップ・プールウィルソン氏は、「降圧効果に加え、ニフェジピンには血管保護作用があり、こうした結果をもたらしたのではないか」と推測している。(平田尚弘、日経メディカル

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. マッチング最終結果、市中病院人気が再び加速 【2017年度】フルマッチ校は11校、東京医科歯科大は5年連続 FBシェア数:174
  2. 「病院⇒介護医療院」の転換、10万床規模にも 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:39
  3. 国内初の『慢性便秘症診療GL』の特徴は? 学会トピック◎JDDW2017 FBシェア数:48
  4. 67歳女性。右大腿の単発性赤褐色斑 日経メディクイズ●皮膚 FBシェア数:0
  5. 地裁が「パワハラで解雇は無効」 群馬大医学系研究科教授の懲戒解雇処分 FBシェア数:5
  6. ベルソムラは就寝前に飲んじゃダメ!? セキララ告白!個別指導 FBシェア数:80
  7. 高齢でもピロリ除菌を行うべきもう1つの理由 リポート◎ピロリ除菌の目的は胃癌発症抑制と潰瘍予防だけじゃない! FBシェア数:47
  8. 「医療訴訟がとにかく怖いんです!」 研修医のための人生ライフ向上塾! FBシェア数:15
  9. 事業譲渡を迫る厚労省に翻弄される化血研 記者の眼 FBシェア数:0
  10. キャラクターで抗菌薬を覚える!? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:44