2005.08.02

【欧州高血圧学会】VALUE単独療法サブ解析 ハイリスク高血圧の単独療法でバルサルタンがアムロジピンよりも心不全と糖尿病新規発症を有意に抑制

 ハイリスク高血圧患者では、ARB バルサルタン単独はカルシウム拮抗薬アムロジピン単独よりも、心不全と糖尿病新規発症を有意に抑制したという新しいサブ解析データが、6月19日、ミラノで開催中の第15回欧州高血圧学会で報告された。このデータは約1万5000例を対象にバルサルタンとアムロジピンの予後に与える影響を比較したハイリスク高血圧大規模臨床試験VALUE(Valsartan Antihypertensive Long-term Use Evaluation) における単独療法のサブ解析(7080 例)によって得られたもの。

 1年前にパリで開催された同学会で報告された全体解析(main VALUE )では、同じ降圧目標値での比較を目指したものの、アムロジピン群で血圧値が有意に低く、当初の目的を果たすことができなかった。しかし、血圧値に差が生じたにもかかわらずプライマリーエンドポイント(心イベント発症+心疾患死)に有意差がなかったことから、「バルサルタンの降圧を超えた臓器保護効果が強く示唆された」という解釈がある一方、「アムロジピンによる降圧の重要性を示すもの」との主張もあり議論が続いていた。

 今回の単独療法サブ解析の対象は、試験開始後6カ月の時点で単独療法例にとどまっていた7080 例(main VALUEの46%)でバルサルタン群(80〜160 mg)3263例、アムロジピン群(5〜10mg/日)3817 例。これらの対象を、単独療法が維持された群(Censored)と併用に移行した群(intention-to-treatpopulation:ITT population)に分けて解析した。報告者はVALUE の統括責任者で米国ミシガン大学内科教授のStevo Julius氏。

 今回の成績でまず注目されるのは、CensoredとITT populationともにバルサルタン群とアムロジピンの降圧効果が同等だった点だ。このため同じ血圧レベルで予後を比較するというmainVALUEの目的がかない、文字通りhead-to-headの対決が可能になった。

 プライマリーエンドポイントは前回同様、両群間に有意差はなかったが、mainVALUEとは違ってCensoredでは12カ月以降はバルサルタン優位になっていた。セカンダリーエンドポイントのうち心不全は、main VALUEでもバルサルタン群で優れる傾向が示されていたが、今回は有意差が得られた。main VALUEでアムロジピン群が有意差をもって優れると出た心筋梗塞は、今回は両群間で有意差はなかった。糖尿病新規発症予防は、main VALUEと同様、今回もバルサルタン群で有意差をもって優れていた。

 バルサルタン群で有意差が得られたデータは、CensoredとITT populationで共通していたが、Censoredの方で強かった。同じ降圧レベルで比較された今回の単独療法のサブ解析データは、バルサルタンの 「Beyond BP Lowering Effect」に確かな裏付けを与えたものと言えそうだ。(松田隆志、医学ジャーナリスト)

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