2005.07.22

【DDS学会速報】 アステラスが水溶性薬物の経口徐放化を小型の錠剤で実現する技術を開発

 アステラス製薬の研究グループは、水溶性薬物の経口徐放化を小型の錠剤で実現する技術、「OCAS-Smart」の開発に成功した。すでにいくつかの製剤の開発の準備を進めているという。

 水溶性の高い薬物は、そのままでは担体から抜け出してしまう。そのために高分子の材料を錠剤中に増やすことで、薬物を抜け出しにくくするが、錠剤が大きくなり、飲みにくくなるという問題があった。開発した技術は飲みやすい製剤で、しかも製造コストが安くなるという利点がある、成果は7月22日に長崎県佐世保市で開催された日本DDS学会で発表された。

 アステラス製薬が開発した技術は、疎水性が高い部分と電荷を帯びる部分が局在して、ミセル構造を作りやすい水溶性薬物に利用できる技術。ミセル構造をとった薬物の表面荷電と反対電荷を有するポリアクリル酸(PAA)を利用するものだ。PAAを結合させることでマトリックスからの薬物の溶出を従来の高分子化技術と同等に抑えることができた。

 ジルチアゼムを使ってビーグル犬に経口投与する実験でin vivoの効果を確認した。薬剤200mgに500mgの高分子を加えた従来法による700mgの錠剤と、200mgの錠剤にPAAを25mgとゲル形成高分子としてのポリエチレンオキサイド、水を吸収させるためのポリエチレングリコールを加えて合計で300mgとした錠剤を投与した。その結果。錠剤サイズを半分以下にしたPAA含有ジルチアゼムは、PAAをふくまないジルチアゼムと同様、持続安定的な徐放、吸収が確認された。(横山勇生)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 向精神薬になったデパス、処方はどうする? トレンド◎ベンゾジアゼピン系薬の安易な処方に警鐘 FBシェア数:1279
  2. 男性医師は何歳で結婚すべきか、ゆるく考えた 独身外科医のこじらせ恋愛論 FBシェア数:178
  3. JTに異例の反論を出した国がんが抱く危機感 Cadetto通信 FBシェア数:121
  4. 開業4年目の私が医院経営の勉強会を作ったわけ 診療所マネジメント実践記 FBシェア数:45
  5. インフルエンザの早い流行で浮かぶ5つの懸念 リポート◎AH3先行、低年齢でAH1pdmも、外来での重症化… FBシェア数:232
  6. 国主導で『抗菌薬適正使用の手引き』作成へ 政府の薬剤耐性対策アクションプランが始動 FBシェア数:19
  7. 真面目ちゃんが燃え尽きるとき 研修医のための人生ライフ向上塾! FBシェア数:0
  8. 味方ゼロ? 誰にも言えない病院経営の修羅場 裴 英洙の「今のままでいいんですか?」 FBシェア数:193
  9. 医師にも多い? 過敏性腸症候群(IBS)型便秘 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:344
  10. 輸液の入門書 医学書ソムリエ FBシェア数:0