2005.07.15

 アドバンスト・ソフトマテリアルズ、酸素透過性高いコンタクトレンズなど、 高強度ゲルを用いた医療材料の商業化に向けた開発を開始

 アドバンスト・ソフトマテリアルズは、高い強度を保ちながら生体適合性の高い高分子ゲルを利用したコンタクトレンズや眼内レンズ、人工軟骨・関節の開発に本格的に乗り出すことをこのほど明らかにした。7月1日付で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2005年度第1回産業技術実用化開発助成事業に選ばれ、商業化に向けた開発を開始するものだ。

 アドバンスト・ソフトマテリアルズの技術は、極小の環状オリゴ糖(シクロデキストリン)の中にポリエチレングリコールを通して滑車のように自由に動かす架橋構造(ポリロタキサン)を作らせるもの。東京大学新領域創成科学研究科物質系専攻の伊藤耕三教授らが開発した技術をもとにしたものだ。従来の化学ゲルは、長さがバラバラのもので構成されているため、力がかかると最も長さの短いところに力が集中して破断してしまうが、アドバンストの製品は架橋点の環状オリゴ糖が滑車のように動くため、力が分散されて破断しにくくなっている。これまでに24倍の伸張性を確認しているという。膨潤性も高まり、従来の化学ゲルとは桁違いの2万4000倍に膨潤させることができる。しかも利用している素材がポリエチレングリコールとシクロデキストリンという医薬品などとして利用されている実績のある物質であることも医療分野に応用する場合には利点になる。

これらの性能を生かし、含水量を高め、酸素透過性を向上させたコンタクトレンズや、今のところ、強度不足のためにゲルを利用できない人工関節などへの応用を同社は期待している。

そのほか、シリコーンの代替物、義手義足用緩衝材、化粧品用のコラーゲンシート、塗料、高機能繊維などへの応用を進めている。また、シクロデキストリンに結合させることで、ドラッグ・デリバリー・システムとしての利用も可能だという。他の高分子材料と混合することで、新たな性質を付与させることもできる。

 ポリロタキサンは、現段階では1gあたり1万円と高価だが、NEDOのプロジェクトなどを通じ、1gあたり100円程度を目指すという。

 なお、ポリロタキサンを作る概念も請求範囲に含む基本特許は既に日米で成立しているという。(横山勇生)

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