2005.07.01

バナジウム含む天然水に糖尿病改善に効果、アサヒ飲料などが確認

 アサヒ飲料とアサヒビール、日本薬科大学、東京医科大学による共同研究で、ミネラルの一種であるバナジウムを含む天然水が糖尿病を改善する効果を持つことがわかった。

 2型糖尿病モデルマウスに、富士山の裾野の地下から採水したバナジウムを含む天然水を3カ月間飲ませたところ、体重の増加が有意に抑制され、脂肪組織のインシュリン受容体数が増加するなど、臓器・組織の病変を改善することが確認された。また、この天然水を長期間摂取しても、バナジウムが特定の臓器に蓄積するような現象は見られず、安全性にも問題ないことが確認された。これらの研究結果は、6月30日から京都で開催される第16回日本微量元素学会で発表される。

 実験では、8週齢前後から血糖値が上昇する「インシュリン非依存型糖尿病自然発症動物」のKK-Ay系マウスを使用。このマウス10匹ずつで3グループ作り、各グループに、1L当たり62μgのバナジウムを含む天然水、この天然水を5倍濃縮した水、蒸留水をそれぞれ飲料水として6週齢から3カ月間与えた。ちなみにマウスの3カ月間は、ヒトに換算すると7〜8年に相当する。

 この結果、バナジウム含有天然水を与えたグループと、5倍濃度の水を与えたグループでは、体重の増加が有意に抑制された。また、試験終了後、マウスの臓器組織を調査した結果、バナジウム含有天然水を飲用したグループでは、次の4つの変化が見られた。(1)脂肪組織のインシュリン受容体数が増加、(2)脂肪組織のインシュリン受容体成分が増加、(3)インシュリンの刺激により血中の糖を細胞内に取り込む役割をするグルコーストランスポーターが、ひふく筋で増加、(4)膵臓のβ細胞のインシュリン産生能が改善。これらにより、バナジウム含有天然水が臓器組織レベルで病変を改善することが示唆された。

 一方、毒性について調べるため、試験終了後に蓄積の可能性が報告されている、肺や肝臓など12種類の組織を摘出し、バナジウムの含有量を測定した。その結果、バナジウム含有天然水を与えたグループでの組織中のバナジウム含有量は、蒸留水を与えたグループよりもやや高くなっていたが、生体内に取り込まれたバナジウムは摂取したバナジウム量の0.1%程度だった。また、特定の臓器に集中的に蓄積するような特異的な現象は見られなかった。

 これらにより、アサヒ飲料では、「バナジウム含有天然水は、糖利用効率の改善効果があるとともに、長期間継続して飲用しても安全性が高いことが確認された。この天然水は飲用水としてだけでなく、普段の食事の材料としても利用でき、食生活を通じた生活習慣病の予防や改善が期待できる」としている。

 アサヒビールグループのプレスリリースはこちらで閲覧できる。(武田京子、医療ジャーナリスト)

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