2005.06.23

【欧州高血圧学会速報】 患者は高血圧治療の失敗をどう考えているか?

 欧州高血圧学会の発表の中で、「患者は高血圧治療の失敗をどう考えているのか?」、というユニークな演題があったので紹介しよう。発表者はフランスの一般内科医(GP)であるStephane Laurent氏らで、同国のGP1372人の協力を得てデータを集めた。

 対象は、2003年から2004年の間に、初期治療で血圧のコントロールがうまくいかず、治療法の変更が必要になった高血圧患者。変更に当たって、主治医であるGPが質問用紙を渡し、患者に記入してもらった上で研究の事務局が回収して集計した。

 調査に協力した高血圧患者3846人の主な属性を見ると、平均血圧160/92mmHg、高脂血症52%、BMI=30以上が19%、糖尿病15%、喫煙者27%、運動不足55%、65歳未満で母親が心血管イベントを起こした人19%、55歳未満で父親が心血管イベントを起こした人18%、となっている。いかにも治療が難渋しそうなプロフィールである。

 回答者全体のうち、「治療の変更にとまどっている」と答えたのは30%で、残りの70%は比較的平静に受け止めている。落ち着いている患者に理由を複数回答で尋ねると、「主治医を信頼しているから」が70%、「最初の薬が常にベストとは限らないから」が41%、「2剤併用の方が単独より効きそうだから」が34%、などとなっている。ちなみに主治医側の予測は、「落ち着いている」27%、「気にしている」64%、「不安を感じている」9%、であった。

 「とまどっている」と回答した患者に複数回答で理由を尋ねると、「自分の高血圧は難治性らしい」が79%と8割を占め、以下、「新しい薬が良いとは限らない」が50%、「2剤併用が単独よりうまくいくとは思えない」24%などの答えが多かった。

 自分の健康に影響を与える要因を患者が選ぶ設問では、「自分自身の行動」が67%、「医学の進歩」が31%、「相談の機会」が13%、という割合だった。

 Laurent氏らはこの結果を踏まえて、「患者は主治医と医学の進歩を信頼しており、治療法の変更にもさほど不安を感じていない。自分自身のライフスタイルの重要性にもちゃんと気づいている」と結論している。(平田尚弘、日経メディカル


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