2005.06.17

【抗加齢医学会速報】 薬効ニンジンに新知見 高麗ニンジンは皮膚再生を促進、パフィアは肌老化を抑える

 高麗ニンジン(紅参=こうじん)のサポニンを火傷をした皮膚に塗ると、低濃度でも皮膚の再生が促進されることがラットの実験で明らかになった。また、南米に自生するヒユ科の植物パフィア(ブラジルニンジン)を服用することで、皮膚中のコラーゲンの合成が促進され、紫外線下で生じる皮膚の肥厚も抑えられることが、ラットやマウスの実験でわかった。どちらも、京都で開催された第5回日本抗加齢医学会総会(6月10〜11日)で発表された。

サポニンは火傷の皮膚再生を促進
 紅参は、生の高麗にんじんを蒸して乾燥させたもの。古い書物によれば創傷の薬としても使われていた。この紅参には配糖体の一種のサポニンが約30種含まれている。愛媛大学医学部分子細胞生命科学講座講師の木村善行氏らは、各種サポニンの火傷に対する皮膚再生の効果を調べた。

 実験では、まずラット皮膚の火傷による創傷部位に、(1)各種サポニンが含まれている軟こう100mgを毎日塗り、治癒経過を観察する、(2)サポニンを塗布したフィルター・ペレットを装着し、マクロファージや血管新生を測定する、(3)創傷部位で病理切片をつくり、サイトカインの産生を測定する――という3つの観点からサポニンの効果を調べた。

 その結果、各種サポニンのうち最も著しい効果が見られたのが「Ginsenoside Rb1(以下Rb1)」で、(1)10〜12%と低い濃度でも傷口の治癒が早い、(2)マクロファージの集積も多く見られ、血管新生も増加、(3)創傷治癒に関わるサイトカインVEGF(血管内皮細胞成長因子) は、Rb1塗布1日目に9〜10%の濃度で有意に増加していた。

 一方、炎症性サイトカインIL-1βは、Rb1塗布後、1日目には非常に高い産生が見られたが、9日目には塗布していない群に比べて低い値を示し、治癒が進んだことを示した。

 これらの結果から、治癒のメカニズムは、損傷部に集まったマクロファージからIL-1βが産生され、一方、創傷部位ではVEGF が産生して血管新生を促す、というもので、「その過程をサポニンが促進するのだろう」と木村氏は考察した。

パフィアは皮膚の老化を抑制
 パフィアは南米に自生するヒユ科の植物で、ブラジル人参とも呼ばれ、古くから滋養強壮に用いられている。松浦薬業(名古屋市中区)課長の深谷幸隆氏らは、加齢による老化と、紫外線による光老化に対するパフィアの効果を調べた。

 研究では、擬似老化モデルラットに、パフィアエキスパウダーを37.5、75、150mg/kg経口投与し、コラーゲン合成をする繊維芽細胞から成る肉芽組織の重量と、コラーゲンの合成を活性化するヒドロキシプロリンの量をラット背部皮膚で調べた。その結果、どちらも投与量の増加に伴って増え、コラーゲン合成能が上がっていることを示した。

 一方、マウスを使って光老化に対する効果を調べたところ、紫外線をあてて光老化を引き起こしたマウスでは皮膚の肥厚が見られたが、パフィア2mg/kgおよび8mg/kg投与群では肥厚はやや抑えられていた。また、背部皮膚の水分率やコラーゲン含量の低下もパフィア投与群では抑えられていた。

 この2つの実験で、パフィアが皮膚の老化の改善に役に立つ素材である可能性が示唆された。(八倉巻尚子=医療ライター)

参考:パフィアに関する松浦薬業のWebサイトはこちら


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