2005.06.10

【日経メディカル連動特別企画】 調査 患者1161人のホンネ 詳細分析編

 「医師の説明・指導に対する患者の不満」をテーマに、日経メディカルが今年4月に行ったインターネット調査から、様々な興味深いデータが得られた。その骨子は、日経メディカル6月号特集「患者の不満なくします 説明力向上大作戦」でお伝えしている。本サイトでは、誌面に掲載しきれなかった、同調査の追加分析結果を紹介する。

ファクト1 「不満患者」の指導順守率は低い

 今回の調査では、医師の説明・指導に対し、患者の56.8%が不満を抱いた経験があることが分かった。図1は、この「説明や指導に対する不満」の有無別に、服薬指導に対する順守度を評価したものだ。

 「完全に指示通り服薬している」「ほぼ指示通り服薬している」を合わせた「服薬指導順守率」は、不満経験がない患者では89.0%に達するのに対し、不満経験がある患者では81.1%と約8ポイントも低い。「全く指示通りに服薬していない」比率も、不満がない患者の2.0%に対し、不満がある患者では4.5%と高かった。



 同様の分析を生活指導に対して行ったのが図2だ。「完全に守っている」「ほぼ守っている」を合わせた「生活指導順守率」は、不満経験がない患者で50.1%、不満経験がある患者では49.1%と、大きな差は認められない。大差があったのは「生活上の指導は受けていない」で、不満がない患者の8.0%に対し、不満がある患者では14.7%に達した。


 

ファクト2 説明・指導への不満経験率が最も高いのは「躁うつ病」、
不満による転院率トップは「アレルギー性皮膚炎」


 患者の6割近くが医師の説明・指導に不満を抱くが、その不満経験患者の48.6%が、不満を機に通院先を変えたと回答した。この調査結果を患者の疾患別に分析すると、説明・指導への不満経験率や不満による転院率に、疾患による差があることが明らかになった。

 図3は、今回の調査対象である7つの慢性疾患(高脂血症、糖尿病、高血圧、喘息、アレルギー性皮膚炎、躁うつ病、胃・十二指腸潰瘍)について、説明・指導への不満経験率を分析したものだ。



 不満経験率は疾患により大きな差があり、躁うつ病では患者の4人に3人(78.4%)が医師の説明や指導に対して不満を抱いた経験があることが分かった。アレルギー性皮膚炎(66.7%)や喘息(66.2%)も不満率が高い疾患であることが判明した。

 この不満経験が、「病院を変える」という転院行動にどの程度結びつくかを、疾患別に分析したのが図4だ。

 転院率が最も高いのは、不満経験率で第2位のアレルギー性皮膚炎(64.4%)。一方、胃・十二指腸潰瘍は、不満経験率が最も低い(47.7%)にもかかわらず、転院率は2位(58.5%)となった。また、不満経験率ではトップだった躁うつ病は、転院率が比較的低い(45.1%)ことが分かった。

 

ファクト3 医療機関変更につながりやすい患者の不満トップ3は
「医師の態度」「言葉遣い」と「無理な指導」


 医師の説明や指導に対する患者の不満を内容別にみると、最も多いのが「今後の見通しを示してもらえなかった」(45.5%)。次いで「説明や指導がほとんどなかった」(36.2%)、「医師の態度が横柄だった」(30.5%)が続いた(複数回答)。

 それでは、医療機関の変更につながりやすい不満は何だろうか。図5に示すのは、不満の内容別に「転院率」を算出したものだ。
 最も上位に来た不満は、「医師の態度が横柄」と「医師の言葉遣いが乱暴」で、いずれも、これらの不満を抱いた患者の68.2%が医療機関を変えている。次が「食事や運動などについて、とても順守できない指導をされた」で、62.5%が医療機関を変えたとの結果になった。一方、不満として最も多かった「今後の見通しを示してもらえなかった」は、転院に結びつく比率が最も低い(48.3%)ことが明らかになった(日経メディカル




調査概要
 インテージとヤフーが共同で運営する「Yahoo!リサーチ」を利用して、4月22〜26日に実施。「Yahoo!リサーチ」の「患者パネル」に登録している患者のうち、(1)高血圧、(2)高脂血症、(3)糖尿病、(4)胃・十二指腸潰瘍、(5)喘息、(6)アレルギー性皮膚炎、(7)躁うつ病――のいずれかの疾患で過去1年間に医療機関を受診し、処方薬を使用している1720人を対象とした。有効回答数は1161人(有効回答率67.5%)。
<回答者のプロフィル>
 男性 730人/女性 431人
 10歳代:3人/20歳代:138人/30歳代:354人/40歳代:362人/50歳代:205人/60歳以上:99人
 高脂血症:229人/糖尿病:218人/高血圧:216人/喘息:136人/アレルギー性皮膚炎:135人/躁うつ病:116人/胃・十二指腸潰瘍:111人

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