2005.06.10

<高齢者に関する論説> 高齢者の歩行事情(2)

 「長寿社会」の新しいネットワーク作りを考える「方円の器」を主催する江上尚志氏の「高齢化に関する論説」から、「高齢者の歩行事情(2)」を紹介します。(三和護、医療局編集委員)

■■□ 高齢化に関する論説
■■□ 高齢者の歩行事情(2)   江上尚志氏

 昼下がりの商店街は定年退職したばかりという雰囲気の男性が、奥方について買い物に来たという感じで歩いているケースが増えてきた。初心者の「若葉マーク」をつけたいのは何となく偉そうな態度の場合である。少しベテランになってくると邪魔をしない程度に距離を置いて歩いている。最近では杖をついて歩く人よりも買い物用のカートを引いたりショッピング用のシルバーカーを利用する人の方が多くなった。もちろん杖を上手に使う人もおられるが、夕方の時間帯に出会うことが多い。

 勤め帰りに立ち寄る夕方の時間帯は、混雑が激しくなって車いすでは歩けない。さらに、電動車椅子になると事故にならない方がおかしいと思うほどだ。しかも耳が遠い、視野が狭い、緊張感が不足してくるといった状態であれば、高齢者にとり交通ルールだって理解しづらいのではないだろうか。そうでなければ精神的にパニック状態を維持することになるかもしれない。高齢者たちはできるだけ混雑する時間帯を避けて行動しようという意図を明確にもっている。“こんな時間に歩くな”などと薄情なことを言わないで欲しい。

 最近では乗合バスの中でも「ノンステップバス」が多くなってきた。“交通バリアフリー法(平成13年)の施行以来、ノンステップバスを街中で見る機会が増えてきました。ノンステップバスは、1997年に国産のノンステップバスがはじめて導入されて以来、その数を徐々に伸ばしています。このノンステップバスは超低床であるため、車椅子使用者のみならず、杖を利用している方、高齢者、ベビーカー利用者等様々な人々のスムーズな乗降を可能としています。”
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/01/010210.html)。

 上記は国土交通省のホームページからの引用であるが、どうも「バリアフリーの概念」を見直す時期に来ているのではないかと思うことが増えている。安心して移動できる社会をめざす「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」なるものを地方自治体に提言しているが遅々として進んでいないのが実情のようである。たしかに、鉄道の駅についてのバリアフリー化は着実に進んでいる。しかしながら、社会が高齢者を受け入れる状況にはほど遠いというのが現状ではないだろうか。

*続きは「方円の器」でどうぞ。
http://www11.ocn.ne.jp/~uten/index.html

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