2005.06.08

東京で第80回日本消化器内視鏡学会関東地方会開催 ダブルバルーン内視鏡をテーマに初のワークショップ

 東京都・平河町のシェーンバッハ・サボー(砂防会館別館)を会場に6月3〜4日、第80回日本消化器内視鏡学会関東地方会が開催された。初日の午前中には、初めてダブルバルーン内視鏡検査をテーマにしたビデオワークショップが開かれた。

 ダブルバルーン内視鏡の開発者でもあり、同ワークショップの司会を務めた自治医科大学消化器内科講師の山本博徳氏はセッション開始前に、「2003年11月に(ダブルバルーン内視鏡が)発売されてから、順調に導入施設が増加し、今回初めてワークショップの演題として取り上げられたことは開発に携わった者として非常にうれしい」と挨拶した。

 まず9施設が導入後の内視鏡検査の現状を報告した。これまで、小腸全体が観察できなかったために2〜3割程度だった検査時の発見率が、ダブルバルーン内視鏡の導入により7割程度まで増加した、上部・下部内視鏡検査では捉えられなかった病像が捉えられるようになった、など、診断能力が明らかに向上したという趣旨の報告が相次いだ。

 発表後の総合討論ではまず、通常の内視鏡の挿入と、ダブルバルーン内視鏡の挿入の違いが議論となった。多くの医師が従来の内視鏡の挿入との違いとして挙げたのは、スコープの向きをあまり急角度にせず、真っ直ぐに近い状態でゆっくり挿入し、X線透視上では挿入した内視鏡がゆるやかな同心円状を作るよう心がけること。腸の伸びている方向を追いかけるようにスコープを進めるのではなく、腸をスコープとオーバーチューブのバルーンを利用して手前にたぐり寄せてから、スコープを進めることが重要だという。

 また、ダブルバルーン内視鏡検査の導入施設の増加に伴い、見つかる病変にも一定の傾向がみられることが明らかになってきた。カプセル内視鏡検査が先行する欧米では、血管性病変のAngiodysplasiaなど、消化管出血を来す病変が多数報告されている。だが今のところ日本で報告されている病変は、びらんや潰瘍の割合が欧米に比べて高い。

 小腸を自然な状態で観察するカプセル内視鏡に対し、送気を行って観察するダブルバルーン内視鏡では、軽度の出血は腸管内圧の上昇によって止まってしまう可能性がある。一方、内腔を詳細に観察できるため、カプセル内視鏡よりも潰瘍やびらんは見つけやすいという特徴がある。欧米との病像の違いが、人種差によるものか、検査方法の違いによるものか、実態の解明が今後の課題となりそうだ。(小又理恵子)

※ダブルバルーン内視鏡検査の動画がこちらでご覧になれます。


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