2005.06.08

【再掲】ウイスキー樽由来のポリフェノールが細胞内ソルビトールの蓄積を抑制 サントリーなどが確認

 サントリーは、静岡県立大学、福山大学、京都府立医科大学と共同で、ウイスキー中の樽由来のポリフェノールであるエラグ酸が、アルドース還元酵素阻害活性を持ち、糖尿病合併症の発症に関わる細胞内ソルビトールの蓄積を抑制することを明らかにした。この研究は5月に開催された日本糖尿病学会で発表された。

 研究では、(1)ウイスキー中のアルドース還元酵素阻害活性成分の単離と構造決定に関する実験、(2)単離された化学物質が高グルコース下で赤血球ソルビトール蓄積阻害効果を持つことに関する実験――の2つが行われた。

 (1)の実験では、ウイスキー乾燥物をアルドース還元酵素の阻害作用を指標として分画を行い、活性物質を単離した。この物質の構造解析を行った結果、エラグ酸であることが明らかになった。

 一方、(2)の実験では、高血糖の場合、グルコースの代謝の過程でアルドース還元酵素によりソルビトールが生成し、それが糖尿病合併症を引き起こすと考えられていることに着目。エラグ酸を含む高濃度グルコース培地で、ラット単離赤血球を3時間培養した。また、同時にエラグ酸を含まない高濃度グルコース培地でもラット単離赤血球を3時間培養。その後、ソルビトールの蓄積量を定量した。その結果、エラグ酸存在下では、ソルビトールの蓄積量が抑制された。また、その抑制効果はエラグ酸の濃度が高くなるほど大きかった。

 サントリーでは、「こうした生理活性を持つ成分であるエラグ酸を含む食品であるウイスキーなどを長期摂取することにより、糖尿病合併症の発症が抑制される可能性がある」という。(武田京子、医療ジャーナリスト)



訂正 本文中で「エグラ酸」という表記がありましたが、誤りで正しくは「エラグ酸」(ellagic acid)」でした。お詫びして上記のように訂正します。

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 85歳女性、心電図異常 日経メディクイズ●心電図 FBシェア数:0
  2. 医師の「肩書き」がモノを言うとき 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:110
  3. 49歳男性。発熱 日経メディクイズ●救急 FBシェア数:0
  4. あまりフレンドリーな医療者にならないようにしてい… 尾藤誠司の「ヒポクラテスによろしく」 FBシェア数:200
  5. 糖尿病患者に癌の発症が多いワケ 岩岡秀明の「糖尿病診療のここが知りたい!」 FBシェア数:209
  6. スマホアプリによる血圧管理、上乗せ効果認めず 循環器・糖尿病診療のNew Stage◎LECTURE FBシェア数:81
  7. 抗体医薬の登場で片頭痛診療は大きく進歩します 慶應義塾大学神経内科専任講師の柴田護氏に聞く FBシェア数:213
  8. 2018改定で加算算定ルール変更、収入差10倍も 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:31
  9. 美人尼の介護を受けた晩年の良寛 病と歴史への招待 FBシェア数:1
  10. 原発性アルドステロン症の機能検査で病型を予測 学会トピック◎第91回日本内分泌学会学術総会 FBシェア数:72
医師と医学研究者におすすめの英文校正