2005.06.06

【編集委員の視点】 新たな時代迎える医業経営コンサルタント業界

 わが国最大規模の医業経営コンサルタント集団「MMPG」創設者の川原邦彦氏が4月30日に亡くなった。享年66歳。6月11日に東京・芝の増上寺で葬儀が執り行われる。まずは、故人が医療界の発展に寄与した業績を顧みて、心からご冥福をお祈りしたい。

 今年2月上旬、厚生労働省の検討会の席で見かけた際、あまりのやせようについ声をかけ、2、3分立ち話をしたのが最後だった。入院中も、医療法人制度改革の行方について気にかけ、厚労省の担当者に連絡をしていたという。

 「一つの時代が終わった」――。ある会計事務所の代表は、訃報に接しこう漏らした。川原氏は医療業界に「経営」の大切さを広め、コンサルタントの地位向上に貢献した。毀誉褒貶はあったが、懐の深い人柄で、「来る者は拒まず」という姿勢だった。厚生労働省内の人脈と並んで、これが1200人の会員を要するまでにMMPGが発展した一因だろう。

 葬儀の案内状には、加藤寛氏(千葉商科大学学長、前政府税制調査会会長)や、水野肇氏(医事評論家)といった著名人の名前がある。加藤氏はMMPGの会長、水野氏は同副会長および川原経営グループ顧問の肩書きだ。知名度の高いこうした人たちを頭に据えることで、グループ内の結束を図ろうとしたとみられる。ここ数年、MMPG内は必ずしも平穏ではなかったようだ。有力メンバーが亡くなったり、メンバー間の確執があったりしたと漏れ聞こえてくる。

 一方、これまで医療分野にあまり力を入れてこなかった監査法人や外資系コンサルティング会社などが、最近触手を伸ばし始めている。景気のあまりよくない一般産業界よりも、医療・福祉業界の方が事業拡大の余地が大きいとにらんでのことだろう。

 日本医業経営コンサルタント協会の発足をスタートとすれば、日本での医業経営コンサルティングはもう15年の歴史を持つことになる。その折に、発展に尽力した川原氏が逝去した。協会加盟のある有力団体でも、近く代表者の交代が予定されている。また、某大手会計事務所では、医療機関の税務指導に豊富な経験を持つ税理士が、いずれトップの座に就くという。

 様々な面で節目を迎えている時だけに、川原氏なき後のMMPGと医業経営コンサルティング業界の行方が気になるところだ。(井上俊明、医療局編集委員)

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