2005.06.01

牛乳とレモン果汁の同時摂取でカルシウムの吸収率が大幅増に ポッカと静岡県立大が確認

 ラットを使った実験で、牛乳とレモンを組み合わせて摂取すると、それらを摂取しないときに比べ、カルシウムの吸収率が約30%以上アップすることが、静岡県立大学教授の横越英彦氏とポッカコーポレーションの共同研究でわかった。

 実験では、(1)基本食のみ、(2)基本食とレモン果汁2%、(3)基本食と牛乳8%、(4)基本食と牛乳8%+レモン果汁2%を、それぞれ6匹のラットに4週間食べさせた。すべての食事に含まれるカルシウムの濃度は0.3%に統一。その後、摂取させたカルシウム量と、糞や尿中に排泄されたカルシウム量を測定し、吸収率を算出した。

 その結果、牛乳とレモン果汁を合わせて摂取させたラットでカルシウムの吸収率が最も高かった。基本食のみのラットでカルシウムの吸収率が約60%だったのに対し、牛乳とレモンを合わせて摂取させたラットでは80%を超えていた。また、牛乳とレモンを合わせて摂取させたラットの次にカルシウムの吸収率が高かったのは、牛乳を摂取したラットだったが、それに比べても牛乳とレモン果汁を合わせて摂取したラットのカルシウム吸収率は約8ポイント高かった。

 さらに、生体内でのカルシウムの吸収を見るため、ラットの十二指腸に腸管ループを作成し、それぞれにカルシウムを3000ppm含む(1)牛乳、(2)牛乳とレモン果汁、(3)ミネラルウォーター、(4)ミネラルウォーターとレモン果汁、を注入。30分後に門脈から採血し、血中のカルシウム濃度を測定した(各n=7)。その結果、牛乳にレモン果汁を加えたグループでは、牛乳のみの場合に比べて門脈血中のカルシウム濃度が高くなった。ミネラルウォーターにレモン果汁を加えたグループもミネラルウォーターだけのグループに比べてカルシウム濃度が高かった。

 横越教授は、「門脈血中のカルシウム濃度が高くなったのは、カルシウムの吸収性が高くなったからと推察される。これは、レモンに含まれるクエン酸のキレート作用により、カルシウムが水に溶けやすくなり、腸管から吸収されやすくなったからだろう」と話す。また、「この実験は、カルシウム化合物やクエン酸といった化合物ではなく、食材を使ってカルシウムの吸収率を見た点が新しい」(横越教授)という。

 この研究の詳細は、今年8月に札幌で行われる日本食品科学工学会大会で発表される予定。(武田京子、医療ジャーナリスト)


訂正 見出しに「静岡大が確認」とありましたが誤りで、正しくは「静岡県立大」でした。お詫びして上記のように訂正いたします。

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 矛盾抱えた「患者申出療養」はどこへ行く? リポート◎治験でも先進医療でもない第3の混合診療 FBシェア数:34
  2. 「救急医にはアイデンティティーがない」の呪い 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:3
  3. なんでこんな検査を定期健診に入れている? 記者の眼 FBシェア数:133
  4. 大型マンション近くでも埋まらない医療モール その開業、本当に大丈夫ですか? FBシェア数:1
  5. どうやって個人型確定拠出年金で節税するの? Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:3
  6. 急性肺塞栓除外のための新臨床ルールの提案 Lancet誌から FBシェア数:241
  7. 北大病院がインドの病院と国際協定を結んだワケ リポート◎脳神経外科を中心に技術交流をスタート FBシェア数:47
  8. JCHO東京高輪病院で感染症内科医7人一斉退職 2017年4月から、ほぼ全科で土曜休診に FBシェア数:611
  9. オーナーが倒産寸前! 危ない物件の見分け方 その開業、本当に大丈夫ですか? FBシェア数:30
  10. 70歳代男性。便潜血反応陽性 日経メディクイズ●内視鏡 FBシェア数:0