2005.05.31

【更新】【消化器内視鏡学会速報】 オリンパスが開発中のカプセル内視鏡画像が本邦初公開 誰も見たことがない小腸の微細構造を観察可能

 日本消化器内視鏡学会2日日の5月27日、「カプセル内視鏡とダブルバルーン法の実際」をテーマに、ワークショップが開催された。カプセル内視鏡については、オリンパス社が開発中の国産初のカプセル内視鏡の画像が、現在、臨床試験を実施中の2施設から日本で初めて公開された。

 オリンパス社が開発中のカプセル内視鏡は、外径11×26mmのカプセル型、1秒当たり2枚の画像を撮影でき、ボタン電池2個で6〜8時間もつという。被験者は腹部にセンサーを貼ってカプセル内視鏡を飲み込む。撮影した画像データは、センサーと接続した小型の受信機に送られる。イスラエルのGiven Imaging社が開発し、世界各地で認可されて12万件以上も使用され、日本で現在承認申請中のものと、現時点では基本的に似通った構造と言えそうだ。

カプセル内視鏡本体
●写真1:カプセル内視鏡本体
アンテナ、受信機、リアルタイムビュワー
●写真2:アンテナ、受信機、リアルタイムビュワー

 新しいカプセル内視鏡の特徴として、慶應義塾大学病院内視鏡センターの緒方晴彦氏は、(1)解像度と観察深度が向上し、遠くまで鮮明な画像が得られる、(2)近接時の撮影では自動的に光量が調節されるため、画面が白っぽくならず、びらんなど異常所見が観察しやすい、(3)受信機に、小型の画像確認用のモニターが付いたビューワーが接続しているため、リアルタイムにカプセル内視鏡の位置を確認でき、検査の進捗状況を推定できること――を挙げた。

 さらに緒方氏は、出血部位の同定や、確定診断、小腸造影では描出できない微細な病変の観察に有用だったという計3例のカプセル内視鏡画像を紹介した。

 昭和大学横浜市北部病院消化器センターの大塚和朗氏は、経験した8例の症例のうち、有所見例は63%、診断に至った例は50%だったと紹介した。腹痛などの自覚症状やカプセルの滞留がみられた症例はまだ1例もないという。

 鮮明な画像が得られるため、水を多量に飲んでもらい、体位変換を行うなどすれば、これまでのカプセル内視鏡では限界があるとされていた胃の病変のスクリーニングにも応用への期待が持てるという。

 とはいえ、まだいくつか課題が残されているようだ。特に、画像解析ソフトにはまだ改良の余地がある段階だという。今後の開発の動向が注目される。(小又理恵子)

カプセル内視鏡画像(小腸内の出血)
●写真3:カプセル内視鏡画像(小腸内の出血)
カプセル内視鏡画像(非特異性多発性小腸潰瘍)
●写真4:カプセル内視鏡画像(非特異性多発性小腸潰瘍)
カプセル内視鏡画像(蛋白漏出性腸症)
●写真5:カプセル内視鏡画像(蛋白漏出性腸症)


更新:カプセル内視鏡本体と周辺装置、慶應義塾大学内視鏡センターの緒方晴彦氏が発表した撮影画像(静止画)を新たに掲載しました。


*カプセル内視鏡の動画はこちら
*Given Imaging社が開発したカプセル内視鏡の最新版の動画はこちら
*Given Imaging社が開発したカプセル内視鏡の動画はこちら

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