2005.05.30

緊急報告◇消極的安楽死で書類送検、殺人の疑いでは異例

 5月18 日、北海道立羽幌病院の医師が、食事をのどに詰まらせ心肺停止状態で搬送されてきた患者(90歳)の人工呼吸器のスイッチを切り死亡させたとして、殺人の疑いで書類送検されました。延命処置を中断するという「消極的安楽死」が殺人疑いとされたのは極めて珍しく、また、殺人の疑いなのに身柄拘束もなく書類送検のみだったことも異例でした。

 この事件が報じられた直後、受講者の方から以下のようなメールをいただきました。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 最近の事例ですが、北海道の医師が家族承諾の上、心肺蘇生後90 歳患者の人工呼吸器を停止したことが安楽死の要件(東海大学事件の判例)を満たさないことを理由に道警により書類送検されたというニュースを見ました。

 私見では、ここでいう(消極的)安楽死はいわゆる延命治療の差し控え・中止に当るもので、今日的には、いわゆる積極的安楽死の概念とは全く違うものと考えておりました。

 つまり東海大学病院事件で示された積極的安楽死の要件を満たさないことを理由に、それと異なる延命治療の差し控え・中止行為が違法であるとの見解に納得がいかないと思われました。そこで司法現場での実際の解釈をご教示いただければと考えました。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 講座の講師を務めていただいている浅井登美彦氏にお話をうかがいました。浅井氏は、「道警は殺人の疑いがあるが、医療行為と考えるのか、あるいは事件と考えるのか、その判断がつかなかったので書類送検としたもの」と冷静に受け止めるべきと指摘しています(詳しくは有料ネット講座「まさかの時の医事紛争予防学」で提供しています)。

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 超高層老人ホーム、救命はどうなる? 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:171
  2. 50歳女性。左下腿に生じた皮膚潰瘍 日経メディクイズ●皮膚 FBシェア数:0
  3. 繰り返す難治性めまいでは「首」を疑え リポート◎現代のライフスタイルで発症しやすい頸性めまい FBシェア数:516
  4. 「25分」のカンファレンス準備時間が「0分」に リポート◎京大病院が進めるICT業務効率化(2) FBシェア数:143
  5. COPD患者が骨粗鬆症を発症しやすい理由 トレンド◎COPDがII期になるとき骨密度が同時に低下 FBシェア数:140
  6. 「こんな自分でも4月から救急医になれますか」 研修医のための人生ライフ向上塾! FBシェア数:0
  7. アルブミンはギラン・バレー症候群の予測因子 JAMA Neurology誌から FBシェア数:130
  8. 「検査で異常がないので、帰していいですよね」 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:159
  9. 透明化迫られる病医院の関連法人、取引実態が閲覧可… 記者リポート FBシェア数:45
  10. 「型」から入れ! 疼痛への病歴聴取が基本の型 石山貴章の「イチロー型医師になろう!」 FBシェア数:124