2005.05.27

【消化器内視鏡学会速報】 安全な内視鏡処置具を目標に、開発と工夫が各施設から報告

 第69回日本消化器内視鏡学会総会初日の5月26日、「安全な内視鏡検査・治療を目指した器具と処置の工夫」をテーマにしたワークショップが開催された。発表された演題は全部で19題だったが、司会を務めた順天堂大学総合診療科教授の林田康男氏によれば、応募演題は30題に上ったという。

 演題数が多いため、発表時間は短かかったものの、各演者は、それぞれの施設で行っている内視鏡器具の工夫について、豊富な動画を用いて解説した。例えば、内視鏡先端に取り付けるフードは、良好な視野を確保し、安全な内視鏡下治療を可能にするために重要だ。このフードについては、洗浄チューブをフード脇に接着し、洗浄機能を持たせたものを産業医科大学第3内科の久米恵一郎氏が発表した。これによって、鉗子孔が1つしか無いスコープでも、処置具を抜かずに術中の出血などに対応できるという。一方、癌研有明病院内科の倉岡賢輔氏は、フードにスリットを入れることで、鉗子の位置を固定でき、初心者では困難なケースでも切開が容易になると発表した。

 また、札幌厚生病院第二消化器科の平山敦氏は、十二指腸狭窄に対するステント留置の方法として、まずダブルバルーン内視鏡を挿入し、スコープ抜去後のオーバーチューブをガイドとして、ステントを挿入する方法を紹介した。ダブルバルーン内視鏡の使用によって、術中の穿孔などの事故や術後の合併症の頻度が明らかに減少し、留置にかかる時間も短時間で済むようになったという。

 このほか、止血用の新型クリップの使い勝手や、内視鏡検査中の鎮静薬の工夫について、具体的な報告がなされた。会場は多くの立ち見が出る盛況ぶりで、また発表後の討論でも、フロアから自施設での工夫が紹介されたり、演者間で質問が飛び交うなど、活発な議論が交わされた。(小又理恵子)


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