2005.05.25

犬と散歩するとストレスが和らぐ! 副交感神経が活性化――酪農学園大学が確認

 ペットの癒やし効果は確かにある――。酪農学園大学獣医学部獣医学科に所属する本岡正彦氏のグループが行った研究で、高齢者が犬と過ごすと副交感神経が活性化されることがわかった。

 自律神経のひとつである副交感神経が働くと、心拍数が低下して体がリラックスした状態になる。本岡氏は、「ペットによって高齢者のストレスを緩和できれば、様々な疾患の予防につながる」と期待する。

 今回の研究は、健康な高齢の男女13人に、犬と30分間散歩してもらい、その間の自律神経活性の変化を、ひとりで散歩した場合の数値と比較。これを3日間連続で繰り返した。

 結果、副交感神経の活性値が明らかに上昇した。しかも、1日目よりも2日目、2日目よりも3日目というように、散歩を重ねるごとに副交感神経活性値が増加、逆に交感神経活性は抑制された。

 また、高齢の女性4人を対象に、犬と散歩した場合と、犬と共に過ごした場合の自律神経活性を比較した。すると、散歩をしたときよりも、犬と家で過ごしたときの副交感神経活性値がより高いことがわかった。

 海外では、1980年にFriedmann博士らが、ペットの飼い主は、飼い主でない人よりも、心臓病退院1年後の生存率が高かったという研究報告を発表している。

 その後、ペットの飼い主の方が飼い主でない人よりも、血圧や血液中の中性脂肪値などが低いことも報告されている。

 今のところ、ペットによる健康効果のメカニズムや詳細はよくわかっていない。だが本岡さんは、「今回の研究結果で、犬と過ごすと副交感神経が活性化されることが明らかになった。ペットは高齢者の病気予防に有用だろう」と話す。

 ちなみに、犬自身のストレス解消には、散歩がよいといわれている。犬を飼っている人は、自分の健康のためにも、犬のストレス解消のためにも、積極的に一緒に散歩してみてはどうだろう。(熊 介子、日経ヘルス


Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 非医師がタトゥーを彫るのは医師法違反か 弁護医師・田邉昇の『医と法の視点』 FBシェア数:23
  2. ここまで分かった! 2018診療報酬改定の中味 日経ヘルスケアon the web FBシェア数:17
  3. 牛乳アレルギーの急速経口免疫療法で低酸素脳症 神奈川県立こども医療センターが事例報告 FBシェア数:165
  4. 抗認知症薬の使用・選択の5つの考え方 プライマリケア医のための認知症診療講座 FBシェア数:78
  5. 酒を飲んで仕事!? 待機中の飲酒はアリなのか 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:176
  6. 「早期診断が重要」って本当にできるの? プライマリケア医のための認知症診療講座 FBシェア数:9
  7. 昭和大学病院の「働き方改革」は成功するか シリーズ◎医師の「働き方改革」 FBシェア数:399
  8. いま書いてるの、もしかして「偽」の診断書? 小林米幸の外国人医療奮闘記 FBシェア数:39
  9. 「モルヒネだけは飲みたくない」への対応法 平方眞の「看取りの技術」 FBシェア数:19
  10. 人生の最期は「眠って過ごしたい」と言われたら Dr.西&Dr.宮森の「高齢者診療はエビデンスだけじゃいかんのです」 FBシェア数:182