2005.05.23

【ASCO2005速報】 転移性膵癌のゲムシタビンによる治療の予後、 3因子によりシンプル・容易に予測

 転移性膵癌は、抗癌剤による治療を行っても生存期間が3〜5カ月程度と予後が悪い。愛知県がんセンターの澤木明氏らは、ゲムシタビンによる治療を実施した転移性膵癌の患者に対するレトロスペクティブな研究から、CRP、パフォーマンスステータス(PS*)、原発部位の3因子だけによって予後を予測する指標を開発、5月14日のポスターセッションで報告した。

 研究グループは、2001年4月から2004年10月までに愛知がんセンター中央病院で治療を受け、組織病理学的に診断が確定した連続66人の転移性膵癌患者に対し、予後に関連する因子をレトロスペクティブに解析した。対象は遠隔転移があり、事前に膵癌に対する化学療法や放射線療法を受けたことがない患者とし、ゲムシタビンの単剤療法が施行された。

 多変量解析の結果、CRP、原発部位、PSだけが、予後予測の独立因子であることがわかった。澤木氏らは、この3因子を整数スコア化して加算し、3〜14点の予後予測指標(Prognostic Index)を導出した。

 指標をもとに、患者を1群(3〜4点)、2群(5〜7点)、3群(8〜14点)に分けた。それぞれの治療開始後生存期間の中央値は、1群が265日だったのに対し、2群は155日、3群は65日となり、生存率に有意な差が得られた。全般的な診断精度を示すROC曲線下面積は0.711だった。

 澤木氏は「どの医療機関でも外来で簡便に算出できる指標であり、日常臨床の参考になると考えている。今後、新たな症例を外部データとして導入し、指標の信憑性を上げていきたい」としていた。(中沢真也)


*) パフォーマンスステータス(PS):米東部腫瘍共同研究グループ(ECOG:Eastern Cooperative Oncplogy Group)が策定した患者の活動度指標。0〜5の6段階ある。概略は次の通り、 0:発症前と変わらない活動が可能、1:歩行や軽度の労作は可能、2:歩行や身支度は可能、日中の5割以上は起居可能、3:一部の身支度は可能だが、日中も5割以上は横臥する、4:いかなる身支度もできず、常に就床、5:死亡

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