2005.05.19

【日本糖尿病学会2005】血糖測定用穿刺針の安全性向上で、針刺し事故のストレスを緩和

 看護師は、日常業務の中で針刺し事故のストレスにさらされている。血糖測定業務での針刺し事故や測定中の血液からの感染も大きなストレスの1つだが、安全性を高めた血糖測定用穿刺用具を導入することで、こうしたストレスを軽減する試みが広がっている。久留米大学病院もその1つで、同病院医療安全管理部の林千代香氏が、5月14日のポスターセッションで取り組みの成果を発表した。

 久留米大学病院での針刺し事故は、2003年度に97件の報告があり、年間100件に迫っていた。その中で血糖測定に関連した針刺し事故は18件で、2001年度の10件、2002年度の11件に比べ増加傾向にあった。このため、2004年9月から、誤刺防止機能付血糖測定用穿刺具(ファインタッチ)と安全機能付血糖測定用穿刺針(ファインタッチ用針)を導入。事故の軽減に取り組んだ。

 その結果、2004年度の前期(4〜9月)に8件あった血糖測定に関連した針刺し事故は、ファインタッチ導入後の後期(10〜3月)は0件と激減した。2004年度の全体の針刺し事故が78件と前年度より20件近く減少し、血糖測定に関連した針刺し事故の減少が大いに貢献していた。

 林氏らは、ファインタッチ方式の導入後に、院内の看護師を対象に無記名アンケート調査を実施し、導入前後の意識の変化などの把握に努めた。
 
 調査の対象は院内27部署の看護師273人。血糖測定業務の経験年数は、6〜10年目が42%、4〜5年目が20%、2〜3年目が24%、1年目が14%だった。

 ファインタッチ方式の導入前に、血糖測定時に針刺し事故の危険を感じたことがあるかどうか尋ねたところ、「ある」と回答した人は219人(81%)で、ほとんどの看護師が危険性を感じたことがあった(n=269)。

 血糖測定時の針刺し事故や血液付着などに対しストレス(不安)を感じたことがあるかどうかも尋ねているが、「強く感じていた」が34人(13%)、「感じていた」が170人(64%)、「感じたことがない」が53人(20%)だった(n=267)。

 ファインタッチ方式の導入後の評価については、「安全に準備ができる」「安全に破棄ができる」「針刺し事故軽減に有効だと思う」などの各項目で、「非常に思った」「思った」との回答合計が90%以上に上り、評価は高かった。「安全対策に対する満足度は向上した」かについては、「非常に思った」が56%、「思った」が39%で、ほとんどが満足していた。

 林氏らはこの実績をもとに、血糖測定用のほかにも安全機能付機材の導入を進め、さらに針刺し事故防止を強化する方針だ。(三和護、医療局編集委員)

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