2005.05.19

【ASCO2005速報】 早期HER2陽性乳癌、トラスツズマブの術後投与で再発リスクが46%減少

 早期HER2陽性の乳癌患者に対し、補助化学療法などに加え、術後に抗体医薬トラスツズマブを投与することで、2年再発リスクが46%減少することがわかった。これは、トラスツズマブに関する第3相臨床試験の仮分析の結果で、ベルギーJules Bordet InstituteのMartine Piccart氏が、最新報告(レイトブレイキング・アブストラクト)にも載せない最新成果として、5月16日のサイエンティフィック・シンポジアで発表した(別掲記事に概要を既報)。同試験は世界39カ国、478カ所で行われており、被験者総数は5090人と、乳癌の試験としては最大規模だという。

 Piccart氏らは、2002〜2005年にかけて、早期HER2陽性の乳癌患者で、術前または術後に補助化学療法を行った5090人を3群に分けた。被験者の中には、加えて放射線療法を受けた人もいた。一つの群にはトラスツズマブ(初回のみ8mg/kg、その後6mg/kg)を3週間ごとに2年間、別の群には同じレジメンのトラスツズマブを1年間、もう一つの群は、対照群として経過観察のみを行った。

 追跡期間の中央値が1年の時点で評価を行った。その結果、2年無再発生存率は対照群では77.4%だったのに対し、1年トラスツズマブ群では85.8%と、有意に高かった(ハザード比=0.54(95%信頼区間:0.43〜0.67、p<0.0001)。

 また、うっ血性心不全の発症率は、対照群が0%だったのに対し、1年トラスツズマブ群でも0.5%に留まるなど、トラスツズマブの充分な耐容性が確認された。

 Piccart氏は、「仮分析の時点で既に、早期乳癌でトラスツズマブが有効である点を示す結果が出たのは、(HER2陽性乳癌という)攻撃的な疾患の治療において、ブレイクスルーだ」としている。同試験の今後の分析結果にも大いに期待できそうだ。(Andrew G. Ten Have、當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

■ 関連トピックス ■
◆ 2005.5.18 ASCO2005速報】乳癌医療における抗体医薬の重要性高まる ハーセプチンの報告に万雷の拍手



訂正 ハーセプチンの一般名称であるtrastuzumabを「トランスツズマブ」と表記しましたが「トラスツズマブ」に訂正致します。

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