2005.05.18

【ASCO2005速報】 オピオイド投与で起きる重度の便秘、抗オピオイド薬メチルナルトレキソンで約6割が4時間以内に便通

 終末期患者に対するオピオイド投与によって、重度の便秘が発現することがある。こうした症例に対して、抗オピオイド薬のメチルナルトレキソン(MNTX)を投与すると、約6割の人で4時間以内に便通がみられることがわかった。これは、メチルナルトレキソンの第3相臨床試験の結果で、米San Diego HospiceのJay Thomas氏らが、5月17日の一般口演で発表した。本演題はLate Breaking Abstractに選ばれている。オピオイド誘発性の便秘は終末期患者のケアにおいて大きな課題であるため、会場の医師からはMNTXのできるだけ早い承認を望む声が上がった。

 Thomas氏らは、期待余命が1〜6カ月の終末期患者で、同じ用量のオピオイドを3日以上投与する計154人を3群に分けた。第1群にはMNTX0.15mg/kgを、第2群にはMNTX0.3mg/kgを、第3群にはプラセボをそれぞれ皮下投与した。

 投与後4時間以内に便通のあった人の比率を調べたところ、プラセボ群では13%だったのに対し、MNTX0.15mg群では62%(p<0.0001)、MNTX0.3mg群では58%と、投与群では有意かつ大幅に高かった(p<0.0001)。また、24時間以内に便通のあった人の割合は、プラセボ群では33%だったのに対し、MNTX0.15mg群では68%(p<0.0004)、MNTX0.3mg群では64%(p<0.0014)だった。

 投与後に便通があるまでの時間の中央値について比較したところ、プラセボ群では24時間超だったのに対し、MNTX0.15mg群では70分(p<0.0001)、MNTX0.3mg群では45分(p<0.0001)だった。

 MNTXの主な副作用として、腹部痙攣が投与群の約30〜40%で、鼓腸が約15〜20%で認められているが、全般的に耐容性は良好だった。全身性オピオイド離脱症状は全く報告されなかった。(Andrew G. Ten Have、當麻 あづさ、医療ジャーナリスト)

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