2005.05.18

営業利益が大幅減の医薬品卸、求められる利益重視への方針転換

 上場している医薬品卸のうち、大手4社の2005年3月期決算が5月16日までに出揃った。本業の儲けを示す営業利益(連結)は、アルフレッサ ホールディングスの47.3%減を筆頭に、4社ともに前期比25%を超える大幅な減少となり、売上高に占める割合がいずれも1%を切る厳しい結果となった。

 営業利益は、売上総利益から人件費や福利厚生費などの「販売費および一般管理費」を差し引いて計算される。ところが、この費用の売上高に占める割合は、4社とも前期と同じか減少している。つまり、売上高から仕入れた医薬品の原価を引いた売上総利益の段階で、業績は悪化しているわけだ。

 4社は、いずれも販売価格の低下が業績不振の主因だとみている。東邦薬品は決算短信で、「国立病院の独立行政法人化、大手調剤薬局の強力な値引き要請、卸業者間のシェア争いなどにより、とりわけ昨年7月以降、価格の低下傾向が顕著だった」としている。最大手のメディセオホールディングスも、5月16日に開催した決算説明会で、国立病院の独法化、大手調剤薬局の交渉力に加え、全国レベルでの価格平準化やDPC(診断群分類別包括評価)の拡大もあり、業界に「平成の大火」がやってきていると指摘した。

 薬価改定のあった翌年3月期の医薬品卸の決算は、価格交渉がやり直せるため、これまで利益は増加するのが普通だった。にもかかわらず、今回は4社揃って大幅な減益に見舞われた。それだけ医薬品卸を取り巻く状況は深刻だと言えるだろう。

 今回の決算を受けて、各社はそれぞれ対策を打ち出している。アルフレッサ ホールディングスは、決算短信で、売り上げの拡大を図るとともに利益の確保にも努め、適正な価格での販売を徹底すると表明した。メディセオやスズケンは、「経済合理性に基づいた価格交渉」を掲げた。東邦薬品も、採算の合わない相手とは取引を中止するなど、既に採算重視の価格交渉に転換している。

 売上高1兆円超の3社が2兆円を目指してしのぎを削る医薬品卸業界。「とにかく売り上げを増やしたい」という誘惑に駆られるのも無理はない。経営統合や業務提携による規模拡大も相変わらず活発だ。こうした中で、利益重視のビジネスモデルへと転換できるのか。2006年の薬価改定を控え、各社は大きな課題を突きつけられている。(井上俊明、医療局編集委員)


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