2005.05.17

【ASCO2005速報】 抗VEGF抗体薬ベバシツマブ、消化管カルチノイドで有望な結果 無増悪生存期間の延長に貢献、ただし血圧上昇には要警戒

 米M.D.Anderson Cancer Centerと米国立がん研究所(NCI)の研究グループは、血管新生を抑制する抗体医薬ベバシツマブが、消化管カルチノイド腫瘍患者の無増悪生存期間(PFS)を延長することができたとの研究成果をまとめ、5月15日の一般口演で報告した。

 消化管カルチノイドでは、その85%以上の細胞でVEGF(血管内皮細胞増殖因子) やその受容体VEGFRが発現しているといわれる。研究成果を発表した、M.D.Anderson Cancer CenterのJames C.Yao氏によると、インターフェロンαには、血管新生作用を持つbFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)とVEGF(血管内皮細胞増殖因子)の産生を抑制する作用があり、弱いながら、血管新生抑制作用があるという。研究の目的は、このインターフェロンαとベバシツマブとの薬効を比較することにある。

 被験者は平均55.3歳の44人。無作為に2群に分け、一方にベバシツマブ(15mg/kgの用量)を、もう一方にはPEGインターフェロンα(0.5μg/kg)を18週間投与した。投与終了後、全員に両方の薬剤を投与した。PEGインターフェロンαは、ポリエチレングリコール(PEG)で修飾したインターフェロンα製剤で、血中半減期が延長され、作用が強化されている。

 18カ月後に治療成績を評価したところ、無増悪生存期間を維持していたのは、ベバシツマブ群では96%だったのに対して、PEGインターフェロンα群では68%であり、統計的にも有意差が得られた。さらにfCTを使って血流も計測したところ、ベバシツマブ群ではPEGインターフェロンα群に比べ、腫瘍組織内の血流量が有意に減少していることを確認したという。Yao氏は今回の結果を踏まえ、より被験者を増やした試験に進みたいと語った。

 今回の臨床試験で無増悪生存期間と並んで注目されたのが、血圧の上昇だ。一般的にベバシツマブの投与で11〜21%の患者に血圧上昇が現れると報告されている。今回の試験の被験者44人のうち17人は高血圧の薬物療法を受けていたが、ベバシツマブの使用により、そのうちの13人が降圧剤の増量、もしくは新しい薬の追加を余儀なくされた。また、それまで高血圧と診断されていなかったにも関わらず、投与を機に高血圧を発症した被験者が7人に上った。同グループは、ベバシツマブが高血圧を引き起こす理由についても。研究が必要と結論した。(小崎丈太郎、日経メディカル開発)

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