2005.05.17

【日本糖尿病学会2005】血糖測定用針での針刺し事故、看護師の66%が「危険性を感じたことがある」と回答

 看護師の66%が、血糖測定用針での針刺し事故の危険性を感じたことがある−−。これは、安全性に配慮したSMBG用器具(測定器・穿刺具)に変更後、針刺し事故に対する意識がどのように変わったのかを調査した中で浮かび上がったもの。5月13日のポスターセッションで滝川市立病院の北川智美氏らが報告した。

 北川氏らは、糖尿病患者数が増加の一途をたどっている中、看護部門でも安全性に配慮した業務の見直しが必要と考え、導入されたSMBG用器具(測定器・穿刺具)によって安全性が向上したかどうかなどを調べた。
 
 調査対象は、滝川市立病院の病棟と外来に勤務する看護師120人。SMBG用器具に変更後、3カ月後にアンケート用紙を配布し回答を得た(無記名方式。ただし、部署名、経験年数のみ記入)。看護師の経験年数は、平均11年で、1〜5年が38%、6〜10年が23%、11〜20年が16%、21年以上が23%だった(n=118)。

 調査では、SMBG用器具に変更前に血糖測定用針での針刺し事故の危険性を感じたことがあるかどうか尋ねているが、「はい」が66%(n=119)と高率だった。また、看護師としての経験年数別でみると、5年以下では80%が危険を経験していた。6〜10年では60%、11〜20年では70%、21年以上では40%だった。

 以前の機種より新しい機種が安全性が高いと感じるかどうか尋ねたところ、「はい」が92%(n=104)で、SMBG用器具の評価が高いことが分かった。看護師としての経験年数別で違いはなく、すべての階層で高かった。

 新しい機種の安全性の評価についても、「変更した穿刺具で針刺しが減る」「変更した穿刺具で血液に触れる危険が減る」「インジェクターで血液に触れる危険が減る」の3項目ついて、それぞれ「そう思う」「ややそう思う」「あまり思わない」「思わない」の4段階で回答を求めた
。その結果、「そう思う」「ややそう思う」を合わせたプラスの評価は、それぞれの項目で80%を超え、高い支持が得られた。

 針刺し事故のストレスは、看護業務の障害になりかねない。今回の研究は、使う側が事故防止の意識を持ち続けることはもちろんだが、一方で、器具などの安全性を高める努力もまた欠かせないことを示した点で意義深いものだった。このような試みが他の施設にも広がっていくことを期待したい。(三和護、医療局編集委員)


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