2005.04.25

【編集委員の視点】新規HIV感染者、1−3月で207件、昨年同時期の150件より大幅増

 4月25日付けで発表されたエイズ動向委員会の報告は、日本でのHIV感染流行が危険水域に入ったことをうかがわせるものだった。2005年1−3月の新規HIV感染者の報告件数が207件と、昨年同時期の150件より大幅増となってしまったからだ。2004年の1年間に新たに報告されたHIV感染者は748件、エイズ患者は366件でいずれも過去最多を記録、合計1114件となり、年間報告数としては初めて1000件を突破(関連トピックス)してしまったが、2005年に入ってもその勢いに歯止めがかからない状況だ。累計でもHIV感染者・エイズ患者報告数は合計で1万70件と1万件を突破した。これは深刻に受け止めるべき事態だ。

 4月25日付けの報告によると、 2005年1−3月で、新規に報告されたHIV感染者は207件、うち男性188件、女性19件だった。一方、新たなエイズ患者の報告は79件で、うち男性73件、女性6件だった。こちらも、前年同時期の報告件数69件より増加していた。累計では、HIV感染者報告数が6734件、エイズ患者報告数が3336件で、合計で1万70件に上った。

 感染経路別では、新規HIV感染者では、同性間性的接触がもっとも多く132件だった。このうち日本国籍男性が131件だった。異性間性的接触によるものは49件(うち男性20件、女性2件)で続いている。なお、エイズ患者の報告では、同性間性的接触が27件、異性間性的接触が22件だった。つまり、新たなHIV感染者・エイズ患者は、ともに90%以上が男性で、その中でも同性間性的接触による感染が大多数を占めているのだ。

 懸念されるのは、献血時の陽性率もまた増加している点だ。1−3月の献血件数は速報値で、131万191件(前年同時期137万4281件)だった。そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数は24件で、10万人当たりの陽性者は1.832件(前年同時期1.019)と高率だった。感度の高い核酸増幅検査が導入された1999年10月以降、第1四半期でこのような高い陽性率だったのは初めてという。報告ではこの点を重視、「日本国内でHIV感染が広がりつつあることを示唆している」との委員長コメントを添えている。

 先進国の中で、HIV感染件数がいまだに右肩上がりに増えているのは日本ぐらいのもの。日本発のHIV感染大流行を阻止するためにも、総合的な施策の実行が焦眉の急だ。(三和護、医療局編集委員)

■ 関連トピックス ■
◆ 2005.2.2 エイズを見直す】「年間新規報告数が1000件を超える」の衝撃度

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