2005.04.25

【日本リウマチ学会2005速報】 全身性若年性特発性関節炎に有望な新治療薬の登場間近

 これまで、ステロイドや非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)による対症的な治療法しかなかった原因不明の持続的な炎症性疾患である全身性若年性特発性関節炎(JIA)に、画期的な治療薬が登場するかもしれない。横浜市立大学小児科教授の横田俊平氏が、4月19日のポスターディスカッションで、トシリズマブを用いた第2相試験の結果を報告した。

 トシリズマブは、ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体。炎症反応にかかわるサイトカインの一つ、IL-6の受容体をブロックし、炎症反応を抑える作用がある。小児のJIAは、IL-6の調節機能の異常による過剰なIL-6が発症に深く関与していることが明らかになっているため、効果が期待されている。

 対象者は、ステロイドや免疫抑制剤などによる治療では十分な効果がみられなかった2〜19歳の11例の小児患者(男児8例、女児3例)。まず全員にトシリズマブ2mg/kgを投与し、疾患の活動性に変化がみられなかった(判定基準はCRP>1.5mg/dL)8例は4mg/kgに増量、それでも変化がみられなかった3例は8mg/kgに増量し、全員に計3回の投与を行った。

 その結果、全例ともに1〜3日程度で発熱はなくなり、CRPも赤血球沈降速度(ESR)も、全員が約1カ月で正常化した。関節炎の症状も全例で消失した。症状の改善度合いを示すJIA core set評価でも、70%の改善が全体の63.5%を占め、50%の改善が全体の約9割に達した。一方、有害事象は、上気道感染症2人、急性腸炎1人、皮下膿瘍3人だった。

 横田氏は、「現在、投与量を8mg/kgとして、第3相試験を進めているところ。これまで重篤な副作用はみられず、新しい治療薬として期待が高まっている」としている。(小又理恵子)

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