2005.04.22

【日本リウマチ学会2005速報】 電気刺激でMTXの抗炎症効果を局所的に高める手法 関節炎の有意な改善で効果を確認

 癌の治療などに用いられる「電気穿孔法」によって、抗リウマチ薬メトトレキサート(MTX)の抗炎症効果を局所的に増強できることが、動物実験で確認された。大阪市立大学大学院医学研究科整形外科学の多田昌弘氏は4月20日のポスターセッションで発表した。

 多田氏らの研究グループは、人為的に関節炎を起こしたラットを、MTX投与と電気刺激の有無で4群に分け、関節炎の状態を調べた。

 実験には、7週齢のLewis系ラット(200〜250g)を用い、尾根部にMycobacterium Butyricumを混濁した流動パラフィン0.2mlを皮下注射してアジュバント関節炎を起こさせた。

 36匹のアジュバント関節炎ラットを、(1)生理食塩水を腹腔内に注入した群「M-E-群」、(2)生理食塩水を腹腔内に注入し電気刺激を与えた群「M-E+群」、(3)MTXを0.125mg/kg/週を腹腔内に注入した群「M+E-群」、(4)MTX0.125mg/kg/週を腹腔内に注入し、電気刺激を与えた群「M+E+群」の4群に分け、アジュバント注入直後から18日目までに週2回、計6回の電気刺激を与えた。電気刺激は、左足関節のみに対して50V/cm・75m秒・8Hzの条件で6方向から行った。実験中のラットの体重と足部腫脹を調べた。

 その結果、M+E+群だけが足部腫脹が有意に減少した。右後足と左後足を比べたところ、電気刺激を与えた左後足で有意に腫脹が抑制された。体重の減少は各群に有意な差は見られなかった。

 電気穿孔法は、電気刺激を加えることで細胞膜の通過性を一時的に上昇させる手法。ウイルスベクターによる遺伝子導入や抗癌剤の抗腫瘍効果の促進などへの応用が研究されている。多田氏は臨床応用として、MTX投与後に電気刺激を与えることで局所作用を増強し、骨膜炎の消退につながる可能性があるとしていた。(田村嘉麿)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. ついに登場!希釈式自己血輸血 リポート◎自己血輸血に3つ目の柱、手術当日でも可能な新手法 FBシェア数:312
  2. どこまで減らせる?アルブミン製剤 リポート◎「アルブミン消費大国」の汚名は返上したが… FBシェア数:22
  3. 高血圧合併例の利尿薬をSGLT2阻害薬に変更 学会トピック◎第60回日本糖尿病学会年次学術集会 FBシェア数:139
  4. 患者応対を改善させる「マジックフレーズ」 榊原陽子のクリニック覆面調査ルポ FBシェア数:2
  5. 患者が増えない… 院長が突き止めた原因とは 診療所経営駆け込み寺 FBシェア数:1
  6. なぜ肺炎ガイドラインに「治療しない」選択肢を盛り… ガイドライン作成委員を務めた大阪大学感染制御学教授の朝野和典氏に聞く FBシェア数:502
  7. 100歳目前の認知症患者に輸血を行うか はちきんナースの「看護のダイヤを探そう!」 FBシェア数:13
  8. 高齢者救急の現場で思う「長生きは幸福か」 木川英の「救急クリニック24時」 FBシェア数:174
  9. いつまでも症状が長引く感染性腸炎の正体 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:161
  10. 医療事故調センター「再発防止策」に厳しい声 記者の眼 FBシェア数:27