2005.04.21

【日本リウマチ学会2005速報】 関節リウマチ患者の7割近くが「薬は怖いと思う」

 関節リウマチ(RA)患者は、薬の服用方法の理解度が高く服薬の必要性も自覚しているが、その反面、RA患者の7割弱が「薬は怖いと思う」と回答するなど、CSなどの薬に対する不安も抱えていることが分かった。国立病院機構横浜医療センターの佐藤久恵氏らが4月18日のポスターセッションで発表した。

 佐藤氏らは、患者が積極的に治療方針の決定に参加し、自らの決定に従って治療の実行(服薬)に取り組むという姿勢を重視したアドヒアランスに着目。RA患者のアドヒアランスを高める服薬指導の方法を検討するため、まず薬に対する不安感を明らかにする調査に取り組んだ。

 対象は2004年7月から10月に横浜医療センターに入院、または外来を受診したRA患者で、副腎皮質ホルモン(CS)を服用中のRA患者。対照として、CSを服用している非RA患者についても同様の調査を実施した。

 調査に当たっては、CSの種類、併用薬の有無は問わなかったが、投与方法は内服に限定した。また、2週未満の短期投与患者は除外した。

 調査方法は、(1)性別、年齢、疾病名、罹病期間など、患者の基本情報の把握、(2)CS1日用量、用法、服用期間など服薬状況の把握、(3)服薬指導と意識調査−−の3つで構成。なお、服薬指導では、その内容を均一にするため共通のパンフレットを使用、さらに服薬指導の内容をチェックするチェックシートを作成し、標準化を図った。

 意識調査は、服薬指導後に患者の同意を得た上で、質問表で行った。質問項目は「はい」「いいえ」で回答するもの、4段階評価で回答するものなど18項目からなり、自由回答も2項目用意した。

 患者背景をみると、RA群は14人(男性3、女性11)、平均年齢が59.4±11.6、平均CS服用期間が10.2年(0.2〜25)、1日平均CS服用量(PSL換算mg/日)が8.6±5.3(4〜25)、服用している薬剤数が5.4±2.0種類だった。

 一方、非RA群は15人(男性6人、女性9人)、平均年齢が59.6±7.3、平均CS服用期間が1.2年(0.2〜2.3)、1日平均CS服用量(PSL換算mg/日)が14.1±14.0(2.5〜60)、服用している薬剤数が4.2±2.2種類だった。

 意識調査の結果、RA群で50%、非RA群で60%が「現在の体の調子は良い」と回答した。

 まず、薬全般について尋ねたものでは、「薬は怖いと思う」との回答は、RA群が64%、非RA群が60%だった。以下、「服薬に対しストレスを感じる」がRA群14%、非RA群27%、「服薬は必要と思う」がRA群93%、非RA群93%、「薬以外の治療の希望はある」がRA群71%、非RA群47%、「薬の効果があると感じる」がRA群79%、非RA群93%、「薬について知りたい」がRA群79%、非RA群73%、「服薬を忘れない」が両群100%という結果だった。いずれの項目も両群で有意差はなかった。

 CSについては、「CSの効果がある」と回答したのはRA患者の64%で、意外と少ない数字だった。ただし、「CSは治療に必要」との回答は、RA患者の86%で、CSに対する理解度は高かった。非RA群では、「CSの効果がある」が67%、「CSは治療に必要」が67%だった。

 CSの副作用の不安について尋ねたところでは、「副作用が不安である」との回答がRA群で86%に上り、非RA群でも67%と高率だった(両群で有意差はなかった)。

 実際に副作用についても尋ねているが、副作用を自覚しているのはRA群で36%、非RA群で20%あった。具体的には、RA群では血糖値上昇、ムーンフェイス、不眠、便秘などの頻度が高かった。非RA群ではムーンフェイスの頻度が高かった。なお、関心がある副作用は、両群とも「骨粗しょう症」だった。

 これらの結果から演者らは、「予想される副作用、対処法、今後の治療方針などについて患者自身が理解を深め、不安を和らげていける服用計画をたてることがアドヒアランスの維持に必要」と結論付けた。なお、「薬が効いていないと思う」や「薬以外の方法で治療したい」などの回答は、担当医師にフィードバックすることが、患者のアドヒアランスを高めるために重要とも指摘している。(三和護、医療局編集委員)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 向精神薬になったデパス、処方はどうする? トレンド◎ベンゾジアゼピン系薬の安易な処方に警鐘 FBシェア数:1279
  2. 男性医師は何歳で結婚すべきか、ゆるく考えた 独身外科医のこじらせ恋愛論 FBシェア数:178
  3. JTに異例の反論を出した国がんが抱く危機感 Cadetto通信 FBシェア数:121
  4. 開業4年目の私が医院経営の勉強会を作ったわけ 診療所マネジメント実践記 FBシェア数:45
  5. インフルエンザの早い流行で浮かぶ5つの懸念 リポート◎AH3先行、低年齢でAH1pdmも、外来での重症化… FBシェア数:232
  6. 国主導で『抗菌薬適正使用の手引き』作成へ 政府の薬剤耐性対策アクションプランが始動 FBシェア数:19
  7. 真面目ちゃんが燃え尽きるとき 研修医のための人生ライフ向上塾! FBシェア数:0
  8. 味方ゼロ? 誰にも言えない病院経営の修羅場 裴 英洙の「今のままでいいんですか?」 FBシェア数:193
  9. 医師にも多い? 過敏性腸症候群(IBS)型便秘 田中由佳里の「ハラワタの診かた」 FBシェア数:344
  10. 輸液の入門書 医学書ソムリエ FBシェア数:0