2005.04.19

FDA、Cox-2選択的/非選択的NSAIDへの副作用リスクの記載とより慎重な利用を要請

 米食品医薬品局(FDA)は4月7日、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の安全かつ有効な使用を確実にするための対策を発表した。なかでも、米Pfizer社のCox-2阻害剤「Bextra」(valdecoxib)の市販中止要請は、専門家らを驚かせた。

 2004年9月に、米Merck社がCox-2阻害剤「Vioxx」(rofecoxib)を自主回収して以来、米国では、この種の薬剤の安全性の再評価が続けられていた。FDAの合同諮問委員会は2月半ば、3日間の議論を経て、「Bextra」その他のCox-2阻害剤の継続販売を認めるよう勧告した。安全性を指標として、市販を認めるか否かに関する判断を求めた投票結果が、「Celebrex」で賛成31、反対1、「Bextra」で賛成17、反対13、棄権2、「Vioxx」については賛成17、反対15となったからだ。FDAは通常、諮問委員会の勧告を受け入れる。

 ところが今回、FDAは非常に慎重な姿勢を示した。関節の炎症を対象とする抗炎症性処方薬すべてに、心筋梗塞等の心臓血管系リスク、および消化器系の出血リスクを記載するよう求めた。また、処方せんなしに購入できる非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)のラベルにも、これら副作用に関するより詳しい情報の記載と、用量と使用期間を守るよう呼びかける記述の追加を要求した。

 Pfizer社の「Bextra」は、米国では2002年から、変形性関節症、慢性関節リウマチ、生理痛を対象とする鎮痛剤として市販されてきた。市販中止の理由としてFDAは、長期的な投与の安全性を示す適切なデータがない、冠動脈バイパス術を対象とする短期の臨床試験で心臓血管系リスク上昇が示されている、まれではあるが非常に深刻な皮膚反応の報告があり死者も出ている、他のNSAIDsにまさる利益が証明されていない−−を挙げている。

 同社は自主回収に同意したものの、FDAのリスク利益分析の結果には納得していない。今後FDAとの議論を進める計画で、結論が出るまで販売を自主的に中止する、と述べている。また、同社が市販している別のCox-2阻害剤「Celebrex」(celecoxib)については、FDAは、特定の患者には利益がリスクを上回ると判断し、添付文書への警告表示の追加が求められた。

 「Bextra」は、2005年2月に豪欧当局からも警告文の追加を求められた。が、FDAがそれより一歩進んで自主回収を命じたことは、驚きを持って迎えられた。NSAIDsをひとまとめに扱うのはおかしい、という意見も当然ある。本当に患者のためを考えれば、より細かい安全性評価が今後行われるべきであることは確かだ。

 FDAの発表の原題は「COX-2 Selective and Non-Selective Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs (NSAIDs)」、全文がこちらで閲覧できる。(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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