2005.04.19

【日本リウマチ学会2005速報】 RAの骨折、「疼痛あるが単純X線上異常なし」が36% 日常動作による脆弱性骨折が7割占める

 関節リウマチ(RA)患者に合併する骨折の71%は日常生活の何気ない動作で生じる脆弱性骨折で、36%は疼痛があっても単純X線上では確認不能――。2日目のワークショップ5「骨粗鬆症の骨脆弱性と治療効果」では、大阪大学大学院器官制御外科学(整形外科学)の南平昭豪氏が、RA患者に伴う骨折の特徴について報告した。

 対象は、同科外来に定期通院中のRA患者209人。平均年齢は60.4歳、平均罹病期間は14.5年で、ステロイド使用中の患者は155人だった(平均使用量5.94mg/日)。このうち、2003年10月から2004年9月までの1年間に疼痛を訴え、臨床的・画像的に骨折と診断された22人・31骨折について、骨折部位や画像所見などを検討した。

 31骨折のうち、疼痛発生時に単純X線で骨折所見が認められたものは64.5%にとどまり、残りの35.5%はCTやMRI、骨シンチなどによって初めて確定診断が下された。骨折の部位は、一般の骨粗鬆症患者に多発する脊椎だけでなく、骨盤、上腕骨、大腿骨など全身にみられ、過去の報告に比べ骨盤骨折が23%と多い傾向にあった。これは、MRIなど、単純X線以外の手段によるひろい上げが影響しているとみられる。受傷機転別では、日常生活動作で生じた脆弱性骨折が71%と圧倒的に多く、疼痛症状と単純X線だけでは診断困難なものが少なくなかった。

 統計学的解析では、脊椎骨折にはステロイドの1日使用量の多さが、骨盤や下肢の骨折には身体機能や歩行能力の低下が、それぞれ独立した危険因子になっていた(オッズ比1.23、3.78)。

 罹病期間が長期にわたるRA患者では、ステロイド薬などの影響で骨粗鬆症を合併し、骨折を引き起こすケースが少なくないが、その実態を詳しく検討した報告はほとんどなかった。南平氏は、「RA患者の骨折は、脆弱性骨折や単純X線では確認できないケースが多いことを念頭に置いて、早期発見に努めるべき。特に、ステロイド使用量の多い患者や、身体機能が低下している患者では注意が必要だ」と話した。(亀甲 綾乃)

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