2005.04.18

【日本リウマチ学会2005速報】 関節リウマチ膝へのFNK型人工膝関節置換手術 臨床成績は「極めて良好」、8年ぶりに立位歩行が可能になった例も

 関節リウマチ膝に対するFNK型人工膝関節置換手術(TKA:Total Knee Arthroplasty)は、8年ぶりに立位歩行が可能になった症例も現れるなど、その臨床成績が極めて良好であることが分かった。日本大学の西郷嘉一郎氏(写真)が4月18日のプレナリーセッションで発表した。

 西郷氏らは自施設で施行した人工膝関節置換手術の臨床成績を検証した。術式はFNK型TKA。

 1975〜2004年までに関節リウマチ(RA)患者を対象に実施したFNK型TKAは260例で、関節にして372件だった。

 性別は男性が22例(36関節)、女性が180例(336関節)。年齢は26〜74歳(平均62.8歳)。平均経過観察期間は5.8年(0.5〜9.5年)だった。手術時の年齢は60歳代が115例、50歳代が87例で、50〜60代にピークがあった。

 西郷氏らはこれらの対象について、臨床評価(JOAスコア)、術後の可動域、合併症の有無などについて検討した。

 その結果、JOAスコアは術前の平均45.4点が術後には平均89.3点に有意に上昇していた(p<0.01)。可動域も術前平均15.1〜116.6度が術後調査時には1.2〜125.0度と有意に改善していた。合併症は372関節中、2関節(0.6%)に膝関節周辺骨折が、4関節(1.2%)に伸展機構損傷がみられた。深部感染例はゼロだった。

 西郷氏らは、関節リウマチ膝のタイプ別に検討した。それによると、強直膝は5例(6関節)あり、全例女性だった。手術時年齢は58.6歳(40〜67歳)、RA罹病期間は平均31.7年(20〜45年)だった。平均経過観察期間は3年10カ月(1.5〜10.6年)で、術前歩行不能期間は1.8年(0.5〜4年)だった。このグループの可動域は、術前の強直肢位は平均24.6度だったが術後は平均1.8〜95.2度に改善していた。

 また高度屈曲拘縮膝(40度以上)は15例(22関節)あり、全例女性だった。手術時年齢は69.6歳(55〜67歳)。関節リウマチ罹病期間は平均15.7年(5〜22年)だった。平均経過観察期間は3年8カ月(1.0〜8.6年)で、術前歩行不能期間は3.2年(1.0〜8.6年)だった。このグループの可動域は、術前が平均45.2〜88.6度だったものが術後は平均3.5〜112.5度に改善していた。事例には、術後、8年ぶりに立位歩行が可能となった症例もあった。

 なお、西郷氏らは40歳以下の関節リウマチ患者にも実施しているが、若年者についても、関節リウマチ膝に対する人工膝関節置換手術は「適応を満たせば積極的に施行すべき」(西郷氏)との見解も示した。(三和護、医療局編集委員)

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