2005.04.18

【日本リウマチ学会2005速報】 MTX抵抗性多関節型若年性関節リウマチに、エタネルセプトの短期的投与が「有効」

 メトトレキサート抵抗性多関節型の若年性関節リウマチ(JRA)に対して、エタネルセプトの短期的投与が有効であることが分かったという。横浜市立大学の森雅亮氏が4月18日のプレナリーセッションで発表した。

 森氏らは現在、第2相臨床試験として、活動性多関節型JRA患者に対するエタネルセプトの12週間投与の安全性、有効性および薬物動態の検討を目的とした多施設オープンラベル試験に取り組んでいる。

 対象は4〜17歳で、メトトレキサート(MTX)治療に抵抗性があるか、または忍容性不良である活動性多関節型のJRA患者。米国リウマチ学会の効果判定基準にのっとってJRAと診断。発症病型は全身型、多関節型あるいは少関節型でも対象とした。疾患型は多関節型。罹患期間は条件としていない。

 除外基準としては、米国リウマチ学会の基準で機能分類IVに該当する患者、あるいは心臓超音波検査による駆出率が55%未満や好中球が1000個/μL未満、ビリルビンが基準値上限の2倍より大きい、過去にヒト免疫不全ウイルス陽性結果が得られた−−などのいずれかの項目に該当する場合も対象からはずしている。

 用法・用量は、エタネルセプトの0.4mg/kg(上限25mg)を週2回皮下投与した。ただし、エタネルセプト単独の効果を把握するために、MTXなどのDMARDs、免疫グロブリン静注、関節内・軟部組織へのステロイド薬注入、RA適応ステロイド外用剤、生ワクチンは併用禁止薬とした。

 有効性は、JRA 30%DOI改善率(JRAを評価するコアセット6項目中、少なくとも3項目で30%以上の改善を示し、30%以上の悪化は6項目のうち1項目まで)で評価。安全性については、有害事象、副作用(臨床検査値の異常変動も含む)などで評価した。

 登録症例数は22例。12週投与は22例全例で終了している。患者の背景としては、男性が4人、女性18人。多関節型が19例、少関節型が2例、全身型が1例だった。

 試験の結果、投与開始後12週の時点で、JRA 30%DOI、JRA 50%DOI、JRA 70%DOI改善率を示した症例は、それぞれ21例(91%)、21例(91%)、15例(68.2%)と「優れた成績だった」(森氏)。

 特にJRA 30%DOIは、2週評価日から患者の80%が到達し、その後も経時的に上昇し、8週評価日以降は90%に達していた。また、JRA 50%DOIも8週評価日以降、患者の90%が到達していた。

 有害事象については、注射部位の反応が15件、感染症16件、臨床検査値異常10件などで、いずれも軽度だったという。

 なお、重篤な有害事象は22例中1例で報告された。関節拘縮がみられた症例で、「障害につながる恐れがある」などの判断で重篤とされた。しかし、治験薬との因果関係は否定されている。自宅および入院によるリハビリテーションの実施で軽快していることが確認されている。(三和護、医療局編集委員)

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