2005.04.11

青年期の深酒はその後の飲酒習慣を左右する、英国研究

 英国London大学小児健康研究所のBarbala Jefferis氏らは、集団ベースの前向き出生コホート研究を行い、大量飲酒の習慣が持続しやすく、青年期の飲酒量はその後の飲酒習慣に影響することを明らかにした。詳細はAddiction誌2005年4月号に報告された。

 対象としたのは、1958年3月のある1週間に生まれた8520人。被験者に対し、16、23、33、42歳の時に飲酒量を尋ねた。大量飲酒の定義は、過去1週間の飲酒時に、1回あたりの酒量が男性は10ユニット以上、女性は7ユニット以上とした。1ユニットはアルコール8g(10ml)。これはワインなら小さなグラス1杯分、日本の缶ビールなら330ml の普通缶3分の2本に相当する。

 23歳、33歳、42歳時の大量飲酒者の割合は、男性でそれぞれ37%、28%、31%、女性では18%、13%、14%だった。大量飲酒者の多くはこの期間内に飲酒習慣を変えていた。しかし、23歳から42歳まで大量飲酒を続けていた人が男性で8%、女性では1%いた。23歳時に大量飲酒していた男性の場合、そうでなかった人に比べ、42歳時も大量飲酒者であるリスクは2.1倍(95%信頼区間1.85-2.39)、女性では1.56倍(1.29-1.89)だった。

 次に、16歳時の飲酒量と成人後の飲酒習慣の関係を調べた(英国では16〜17歳ならレストランで食事中にビールかシードルを飲むことが許可されている)。16歳時にほとんどまたは全く飲酒しなかった女性は、少量飲酒者(1週間に0-2ユニット)に比べ、後に大量飲酒者になるリスクが低かった(23歳時のオッズ比は0.65、0.55-0.77)。反対に、16歳時、1週間に7ユニット以上飲んでいた男性は、少量飲酒群に比べ、成人期を通じて大量飲酒者になるリスクが高かった(42歳時のオッズ比は1.64、1.33-2.08)。

 これらの結果は、(1)英国の20代から40代の男女の多くに大量飲酒の習慣がみられること、(2)大量飲酒の習慣は持続しやすいこと、(3)未成年の飲酒はさほど多くないが、その後の飲酒習慣に重大な影響を及ぼすことを示している。

 持続的な大量飲酒は本人の健康のみならず社会にも影響を及ぼす。日本では大学入学と同時に飲酒を始め、羽目を外す学生が少なくない。その時期の飲酒習慣がその後に影響するならば、大学は、一気飲みの強要を防止するだけでなく、生涯にわたる健康維持対策の一つとして、正しい飲酒習慣も教えた方がよいだろう。

 原題は「Adolescent drinking level and adult binge drinking in a national birth cohort」、概要はこちらで閲覧できる。(大西淳子、医学ジャーナリスト)

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