2005.04.08

【裁かれたカルテ】「死因を明確にできなかったことは、遺族らに対する不法行為とはならない」

 死因が分からないときは、遺族に解剖を勧めるのが基本。しかし、拒まれる場合は当然ある。ところが、医療側は「遺族が同意しなかった」と思っていても、「勧めもしなかったではないか」と訴えられることもある。今回紹介する判例は、このあたりの行き違いが根っこにあって紛争に発展したものだ。

 安静を指示されていた患者が入院4日目に、歩いた直後に急死した。遺族らは、「肺塞栓症であったにもかかわらず、被告病院医師はこれを看過して適切な治療を行わず、また、十分な看護体制をとらず、患者が病室から出たのに気付かなかったため、患者は肺梗塞により死亡した」などとして、3400万円余の損害賠償を求めて提訴していた。「被告病院医師は、遺族である原告らに対して、患者の死因を解明せず、また十分な説明もしなかった」との訴えも争点の1つになった。

 これに対し裁判所は、まず「患者の死因は特定できない」と判断、この事実認定に基づき、病院医師に診療上の過失は認められず、また、病院の看護体制の不備も認められないと判断した。さらに、病院医師が患者の死因を明確にできなかったことは、遺族らに対する不法行為とはならないと判断し、原告の請求を退けた(詳細は有料ネット講座「まさかの時の医事紛争予防学」へ)。

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