2005.04.01

キリンビール、アトピー性皮膚炎へのKW乳酸菌の有効性を示唆 ヒト試験を実施、皮疹の面積などが改善

 キリンビールは、同社が開発したKW乳酸菌のアトピー性皮膚炎に対する有効性を調べる臨床試験の結果、改善効果が期待できることが判明したと発表した。

 KW乳酸菌を摂取すると、アトピー性皮膚炎の皮疹面積が縮小し、自覚症状など一部の指標が有意に改善した。ただし、体内でのアレルギー反応を示すIgE抗体の値は改善しなかった。

 乳酸菌が慢性鼻炎や花粉症などに対して改善効果があることは明らかになっている。これは乳酸菌が、免疫を司るリンパ球のバランスを、アレルギーを起こしやすいTh2優位という状態から、アレルギーを発症しにくいTh1優位という状態に調整するためだとされている。一般的にTh2優位なときにはIgE抗体が増える。このため、アトピー性皮膚炎に対しても乳酸菌が有効ではないかと期待され、今回の臨床試験が行われた。臨床試験は、総合医科学研究所が実施した。

 アトピー性皮膚炎の軽症と中等症に該当する84人を、KW乳酸菌のサプリメントをのむ群と、偽サプリメント(偽薬)をのむ群に分け、12週間継続摂取してもらった。

 その結果、KW乳酸菌群は、摂取開始時と比べて、皮疹の状態の一部や皮疹の面積が有意に改善した。

 また、偽サプリ群と比べると、自覚症状の「掻痒」(かゆみ)と、QOL調査のうち「日常活動」に改善傾向(p<0.1)がみられたという。

 ただし、IgE抗体値は摂取群と非摂取群の間で有意な差はなかった。症状改善には有効な可能性があるとわかったが、自覚症状が改善したメカニズムについては、従来のリンパ球のバランスの調整効果だけでは説明できないようだ。メカニズムの検討には、さらなる試験が待たれる。

 キリンビールは既に、KW乳酸菌のアトピー性皮膚炎に対する効果をマウスで確認しており、この3月に開催された日本農芸化学会で発表している。今回のヒト試験の詳細な結果は、6月3日に行われる日本アレルギー学会春季臨床大会で発表の予定。(白澤淳子、日経ヘルス


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