2005.03.29

【各論】 利用目的の通知等

Q2-1 別表2の「患者への医療の提供に必要な利用目的」や「介護サービスの利用者への介護の提供に必要な利用目的」は、個人情報保護法第18条第4項第4号の「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」に該当すると考えられるので、このような利用目的は本人に通知又は公表しなくてもいいのではないでしょうか。

A2-1 医療・介護関係事業者においては、ガイドラインの別表2に示すように、患者・利用者に関する情報を様々な目的で利用します。別表2に掲げる内容には、取得の状況からみて明らかな利用目的と考えられる事項もありますが、ガイドラインでは、患者・利用者等に利用目的をわかりやすく示す観点から、このような利用目的についても院内掲示等により公表することを求めています(参照:ガイドラインp13)。
 また、医療機関等において、他の医療機関等へ黙示による同意に基づき情報提供を行う場合には、あらかじめ院内掲示等により、その利用目的や、あらかじめ本人の明確な同意を得るよう求めることができること等について公表することが前提となっています(参照:ガイドラインp22〜23)。
 なお、介護関係事業者において、サービス担当者会議等に使用するために他の介護関係事業者に情報提供を行う場合は、介護保険法に基づく指定基準により、事業所内への掲示によるのではなく、サービス利用開始時に適切に利用者から文書による同意を得ておく必要があることに留意が必要です(参照:ガイドラインp24)


Q2-2 利用目的の公表に当たっては、診療録、看護記録、ケアプラン等の書類の種類ごとに利用目的を特定して公表しなければならないのでしょうか。

A2-2 個人情報保護法では、医療・介護関係事業者が個人情報を取り扱うに当たっては、利用目的を特定することとされています。医療・介護関係事業者は、ガイドラインの別表2を参考として、通常必要な利用目的を特定することとされており、書類の種類ごとに利用目的を特定するものではありません。


Q2-3 特定した利用目的は、院内掲示等により公表することで十分でしょうか。

A2-3 特定した利用目的を院内掲示等により公表する場合には、単に公表しておくだけではなく、患者・利用者等が十分理解できるよう受付時に注意を促したり、必要に応じて受付後に改めて説明を行ったりするほか、患者・利用者等の希望があれば詳細な説明や当該内容を記載した書面の交付を行うなど、医療・介護関係事業者において個々の患者のニーズに適切に対応していくことが求められます(参照:ガイドラインp13)。


Q2-4 患者から、院内掲示した利用目的のうち、一部の利用目的には同意できないという申出がありました。これを理由として診療しない場合、医師法第19条の応招義務違反となるのでしょうか。

A2-4 患者の個人情報の利用目的には、患者の診療に必要な事項や医療機関の経営改善に資する事項など様々な項目があります。このため、患者から利用目的の一部に同意しない旨の申出があった場合、医療機関はできるだけ患者の希望を尊重した対応をとることが望まれます。一方、医療機関が最善の取組を行ったとしても当該利用目的を利用しなければ、診療に支障が生じることが想定される場合には、その状況について患者に十分に説明し、患者の判断によることになります。
 なお、医師の応招義務については、個別の事例に応じて判断が異なるものであり、これらの要件を総合的に勘案して判断されることになります。

更新情報】
厚生労働省がまとめたQ&Aはこちら(pdfファイル)です。内容が更新されている場合があります。更新情報はこちらでご確認ください


■ 参考図書 ■
・医療機関のための個人情報保護対応マニュアル(詳しくはこちら
・50の医療事故・判例の教訓(詳しくはこちら

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