2005.03.25

【日本循環器学会2005速報】 院内の除細動、看護師の7割が「正式許可なければAED使わない」

 入院中の患者が突然心室細動を起こした時、自動体外式除細動器(AED)を持った看護師が駆けつけたのに、なぜか除細動を行わず、医師の到着を待つ。こんな事態が起こりかねないことを示唆する調査結果が報告された。東京慈恵会医科大学附属病院循環器病錬の園城陽子氏らが、3月20日のコメディカル・ポスターセッションで発表した。

 園城氏らは病院の循環器病棟と救急部に勤務する看護師135人に対し、AED使用に関する意識調査を実施、126人から回答を得た。

 それによると、「日本では法的に看護師による除細動は可能か」という問いには4分の3を超える77%が問題なしと答えたにもかかわらず、「医師のいる病院内で医師が未到着の場合、除細動を行うか」という問いに対して「使う」としたのは29%に過ぎなかった。

 AED使用に対して病院の正式許可(通達)がない状況で、患者が心室細動になった時、どうするか、という問いに対しては、「医師の指示の有無にかかわらず除細動を施行する」と回答したのはわずか22%。一方、「医師の指示がある時だけAEDを使用して除細動を行う」が31%と前者を上回った。

 ところが、AED講習会受講の有無で回答を分けると、病院としてAED使用許可の通達がない場合でもAEDを使用すると回答した比率は、講習会未受講者では15%に過ぎなかったが、講習会を受講した看護師では43%と有意に多かった。許可がある場合にも、未受講者で「使用する」としたのは62%だったのに対し、受講者では86%と有意に多かった。

 こうしたことから園城氏らは、病院が看護師に対してAED使用法を習得する機会を与え、看護師のAED使用を公認する必要があるとしていた。(田村嘉麿)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 医師のあこがれ? 「ブラックカード」の魅力 Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:1
  2. 女子マネ死亡…AEDを巡る論争に言いたいこと 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:737
  3. 全身脱力の26歳男性の診断は? 徳田闘魂道場にようこそ〜国家試験と臨床との架け橋〜 FBシェア数:13
  4. 山梨市長逮捕で「医学部裏口入学」を考える 中山祐次郎の「切って縫うニュース」 FBシェア数:37
  5. ガイドラインを引用する訴訟が急増しています 特集◎医療訴訟の落とし穴《インタビュー》 FBシェア数:57
  6. 70歳代男性。残尿感 日経メディクイズ●腹部エコー FBシェア数:2
  7. インスリンの2回打ちって、もう古い? シリーズ◎岩岡秀明の糖尿病よろず相談所【藤沼康樹編】 FBシェア数:106
  8. 「説明を尽くしたのに敗訴」のなぜ 特集◎医療訴訟の落とし穴《動向編》 FBシェア数:513
  9. 医局に入ったら生涯収入が減るものと覚悟せよ Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」 FBシェア数:161
  10. 特集「『説明したのに敗訴』のなぜ」が生まれたわけ 編集会議 on the Web FBシェア数:130