2005.03.21

【日本循環器学会2005速報】 循環器専門開業、成功のカギは「紹介」:ベテラン開業医が指摘

 循環器疾患専門の開業を成功に導くのは、やはり「紹介」。3月20日のモーニングレクチャー「循環器専門開業にフォローの風」で、1993年に大阪で内科・循環器科の医院を開業した石村孝夫氏は、診療報酬や患者の意識の変化などにより、循環器疾患専門の開業に追い風が吹いているとした上で、開業成功の条件として「紹介」の重要性を指摘した。

 石村氏は、まず、冠状動脈に動脈硬化がある患者には生涯にわたる内科治療の継続が必要であることを指摘し、循環器の専門医が開業する意義を述べた。そして、患者の意識がブランド志向から個別の医師の実力で通院先を選ぶように変わってきていること、病院は入院、診療所は外来という機能分化と連携が診療報酬上で進められていることを挙げて、循環器専門の開業が好機を迎えていると強調した。

 石村氏は、自院の患者の8割近くが他の医療機関からの紹介で通院し始めたことを紹介、専門開業を手がけるに当たり、親しい後方支援病院を持つことや、疾患ごとに紹介できる専門医を持つことの重要性を説いた。「後方支援病院を持つことで自院は『循環器専門』と銘打ちやすくなるし、重症患者も抱えられる」という。

 また、「紹介状の書き方で医師の技術や人間性がよくわかるので、面識がない医療機関と信頼関係を構築するのにも役立つ。信頼関係ができれば病院も患者を逆紹介してくれるようになる」とし、専門開業における紹介状の大切さを強調した。

 朝7時15分という早い時間からのセッションにもかかわらず、会場は100人を超える医師でほぼ満杯になり、専門開業に対する循環器医の関心の高さがうかがわれた。ただし、フロアからは開業場所の選定についての質問が発せられるなど、今すぐ役立つ開業ノウハウを求めて来場した医師が多かったようだ。こうした参加者にとっては、やや理念寄りの発表と受け止められたかもしれない。(井上俊明、医療局編集委員)

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