2005.03.20

【日本循環器学会2005速報】 薬剤師による服薬指導の効果、ワルファリンカリウムで実証

 血液凝固阻止剤ワルファリンカリウムの投与に際し、薬剤師が患者に積極的な服薬指導を行うことで患者の薬についての理解度が増し、適正な服用につながることがわかった。名古屋大学医学部付属病院薬剤部の山村恵子氏が、3月19日に開催された第69回日本循環器学会のコメディカルセッションで発表した。

 山村氏らは、厳格な容量設定が必要で、不適切な服用により脳塞栓や心筋梗塞、あるいは出血などの重大な問題を引き起こしかねないワルファリンカリウムについて、医師からの要請を受けて2004年4月、薬剤師による服薬指導を行う「ワーファリン教室」を始めた。薬剤師が個室に患者を1人ずつ呼んで、血液凝固能を調べるトロンボテストの値や薬歴を確認した後、服薬方法や有害事象、注意事項など十数項目についてアンケートを行い、次いで冊子を利用して正しい知識を説明するというものだ。同年8月までに272人の患者に実施した。

 その結果、指導前は平均6.8点だったアンケートの正解率は、指導後は8.2点に上昇し、有意に知識の向上が見られた。トロンボテストの値が目標域にある患者の割合も、指導前には34%だったが指導後は56%とやはり有意に増えた。

 また「ワーファリン教室」における患者とのやりとりなどから、1mg錠と0.5mg錠を間違えて服用する患者が少なくないことがわかり、製薬メーカーに凹凸をつけたシートへの改良を提案する効果もあったという。

 山村氏は、「国民に薬剤師による服薬指導の成果をきちんとしたデータで示し、その有用性と必要性を認識してもらうことで、診療報酬で薬剤師の業務をさらに評価してもらい、薬剤師の増員にもつなげていきたい」と、その意義を強調した。(井上俊明、医療局編集委員)

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