2005.03.19

【日本循環器学会2005速報】医療訴訟、最終的な局面では和解が56%と最多、医療側が敗訴するのは14%

 医療訴訟の行方をみると最終的には和解が56%と最多で、医療側が敗訴するのは14%−−。3月19日に開催されたトピックス「医療訴訟の現状と問題点」の中で登壇した東京地方裁判所判事の金光秀明氏(写真)が明らかにした。
 
 東京地方裁判所の医療部(2001年に設置された医療裁判専門部門)のまとめによると、東京地方裁判所に持ち込まれた医療訴訟で、2002年10月から2003年12月までに何らかの決着がついたもののうち、もっとも多かったのは和解で56%と過半数を超えていた。次に多かったのは、訴えの棄却、つまり原告側の敗訴で22%だった。医療側が敗訴(一部認容も含む)したのは14%と少なかった。

 参考までに、全国のまとめでは、2003年度に何らかの決着がついた医療訴訟のうち、もっとも多かったのは、やはり和解で49%だった。原告側の訴えが棄却、あるいは却下されたのは22%、医療側が敗訴(一部認容も含む)したのは17%だった。

裁判に持ち込まれる前に90%が何らかの決着をみている

 金光氏が紹介したデータは、提訴後の決着の仕方についてだった。これに対し、金光氏に先立ち登壇した日本大学の押田茂實氏は、自らが収集し分析したデータを基に、医事紛争の行方に言及した。

 それによると、医事紛争を100%とすると、裁判前に見舞金で解決しているのが40%、示談で解決しているが20%と見込まれるという。自然消滅が30%程度あるため、実に、裁判に持ち込まれる前に医事紛争の90%もが何からかの決着をみていることになる。

 見舞金と示談を合計すると、60%もが「お金」で解決していることになるわけだ。特に示談の中には、医療側に落ち度がないにも関わらず、「お金」で解決しているものが少なくないと予想される。医療ミスの有無を明らかにする前に、安易に「お金」で解決しているとしたら、今後も医事紛争は増えこそすれ減ることはないに違いない。(三和護、医療局編集委員)

Information PR

ログインしていません

Close UpコンテンツPR

ログインしていません

もっと見る

人気記事ランキング

  1. 診療拒否が違法か否かを判断する「3つの要素」 裁判官が語る医療訴訟の実像 FBシェア数:74
  2. 某球団の熱烈ファンを狙った医師採用戦略 裴 英洙の「今のままでいいんですか?」 FBシェア数:172
  3. 70歳代男性。検診の胸部X線 日経メディクイズ●胸部X線 FBシェア数:0
  4. ルーチンの読影手順 正常構造をまず確認 今さら聞けない画像診断のキホン FBシェア数:26
  5. OSA患者のCPAP使用は性生活の質を改善する JAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌から FBシェア数:23
  6. 再発で引退も…オーバートレーニング症候群 あなたの知らないスポーツ内科の世界 FBシェア数:29
  7. エリートサラリーマンが子どもに私立医学部を勧める… 松原好之の「子どもを医学部に入れよう!」 FBシェア数:28
  8. 「オギノ式」を生んだ荻野久作夫妻の絆 病と歴史への招待 FBシェア数:6
  9. 主訴「僕、麻疹かもしれない」 薬師寺泰匡の「だから救急はおもしろいんよ」 FBシェア数:100
  10. ティール組織から考える理想の組織って? 「医療」ってなんだっけ FBシェア数:13
医師と医学研究者におすすめの英文校正