2005.03.19

【再掲】【第29回 九州リウマチ学会速報】 IL-15刺激によるCD57陽性CD4T細胞増加が関節リウマチの病態に関与

 関節リウマチ(RA)の病態においてはCD4T細胞が重要な役割を担っていると考えられているが、RAの疾患活動性と相関することが報告されているCD57陽性CD4T細胞数が、IL-15の刺激によって選択的に増加することが明らかになった。RAでIL-15が異常産生され、それがCD57陽性CD4T細胞を介してRAの炎症増強に関与するようだ。九州大学医学部整形外科の山田久方氏が3月5日午前の一般口演で報告した。

 山田氏らはこれまでに、CD57陽性CD4T細胞数がRAの疾患活動性と相関することと、高いIFN-γ産生能を有すること、CD57細胞陽性CD4T細胞の多くはCD28を発現していないことを明らかにしてきた。本研究ではRAにおいてCD57陽性CD4T細胞が増加するメカニズムについて検討している。

 同氏らは、CD57陽性CD4T細胞の増加が、自己抗体刺激で増加したT細胞を反映するものではないことを確かめた上で、RAで増加することが知られている各種サイトカイン(IL-1β、IL-6 、TNF-α、IL-15)で末梢血を刺激したところ、IL-15で刺激した時に限ってCD57陽性CD28陰性分画が増加した。RA患者と健常人の末梢血中のCD57陽性細胞数は、いずれもIL-15に対し、濃度依存的に増加した。

 IL-15はRAの滑膜細胞で大量に産生されること、RA血清中でもその増加が見られるといった報告があることから、山田氏は、RAではIL-15によって末梢血でのCD57陽性CD4T細胞増加がもたらされると推察した。そして、CD57陽性CD4T細胞数がRAの疾患活動性と相関することに加え、CD28陰性CD4T細胞数は関節破壊の進行速度に相関するとの知見もあることから、CD57陽性CD4T細胞がRAの炎症増強に関与しているとの見解を示した。

 CD57陽性CD4T細胞の起源について、現時点では明確な答えは出ていないが、通常のT細胞とは若干異なり、自然免疫に関わるような細胞、NK細胞に近い系統の細胞ではないかという。抗原刺激なしに活性化することやIFN-γを産生すること、IL-15で増殖する点など、CD57陽性CD4T細胞について同氏が明らかにしてきた知見は、NK細胞の特徴と一致する。

 一方、IL-15については、RAの滑膜液中のT細胞を増殖させることやIL-15で活性化されるT細胞がTNF-α産生を誘導するなどの報告もあり、最近RAの治療ターゲットとしても注目されている。本研究は、いまだ完全に解明されていないRAの原因に迫る一歩であるとともに、新たなRA治療戦略にもつながるものといえ、今後の展開が期待される。(中西美荷、医学ライター)



お断り CD57陽性CD4T細胞に関する解説などを一部改訂し、再掲載しました。

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